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22時にバイトを上がって、コンビニに寄ってパピコだけ買った。自分の分は食べる気がしなかった。



歩き慣れた道をゆっくり歩いて、いつもの部屋の前で立ち止まる。



深呼吸をしてインターホンを押した。
すぐに中から足音がしてドアが開く。




「おお」
『…よ』
「今日ラストまでだったの?」
『そう』
「ふーん、お疲れ」




私が玄関に入ったのを確認して、ペタペタと裸足でリビングに戻っていく。
私も靴を脱いで手を洗ってから後を追った。




『はいアイス』
「あーありがと」



袋を受け取って中身を見て「Aのは?」って不思議そうに聞いてきた。

『今日はいいかなって』って答えると「熱?」って心配そうに顔を覗き込む。

肌綺麗だなぁなんてぼんやり思いながら、『別に』って首を振った。



袋を開けてパキッと分けたパピコの半分を私に「食う?」って向けてくる。


それにも首を振ると、
「え、まじでどうした?」
ってアイスを置いた。




『どうもしないよ』
「いやどうかしただろ」
『何もないって』
「そんなわかりやすい顔で嘘つくなって」
 




…わかりやすい?

そんなこと言われたことなかった。
やっぱり翔太の前だと、私変だ。






「なんかあった?」


 




真っ直ぐ見つめられて
…言いたくなかったのに、言ってしまった。






『……昨日、デートだったんでしょ?』
「…は?」





あくまで気にしてない体で、
サラッと世間話をする感じを精一杯保ちながら。

じわじわと翔太が眉を顰めた。





『友達から聞いちゃった』




そう言うと、「…まじかよ、」ってぐしゃっと前髪を抑える翔太。

……何その反応。






『…ねえ誰?私の知ってる子?』
「…別に、」
『可愛い子?翔太面食いそうだもんね』
「だから別に」
『全然、私以外にもいるなら言ってよ(笑)』
「…は?」







…あ。
声の表情、変わった。







「何言ってんの?お前」







今まで見たことのない翔太の不機嫌な顔。

…え、何?
何が地雷?

わからないけど、ここまできたら私も止まれない。





 

『別に、私以外にも相手いるなら言ってくれればいいのにって。そうすればもっと気遣えたし』







自分でもびっくりするくらい冷めた声。
言ってから後悔した。


そうじゃない。
言いたいことはこれじゃない。

でも自分が思ってることをちゃんと伝えられる自信がない。自分でもごちゃごちゃでわからないんだもん。

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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした! (2021年11月14日 8時) (レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 23時

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