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ある日、授業始まるのを待ってたら同じ授業取ってる子がバタバタと私の隣に駆け寄ってきた。


「ねえA!」
『ん?』
「A渡辺くんと付き合ってるよね!?」


いきなりの質問に苦笑いする。
何度か聞かれたことなある質問だったからいつも通り笑って『付き合ってないよ』って答えた。

すると「え、そうなの?」っていつも通りの反応をする友達。



いつもと違うのは、この先だった。



「2人仲良かったからてっきり…何だ焦った〜」
『何かあったの?』
「いや、私昨日見ちゃったんだよね」




私と翔太が付き合ってないことに安心したのか、
口籠もることなくスラスラ言葉が出てくる。
その言葉に、耳を疑った。




「渡辺くんが女の子と買い物してるところ」
『……え?』




…翔太が?
だって、え?

ズシ、と体が石みたいに重くなる。
私の様子に気づかない友達はそのまま続けた。




「昨日モール行ったら遭遇しちゃってさ。
一緒にいるのAじゃないから浮気!?って
めっちゃ焦っちゃって」
『…そう、なんだ、』
「でも付き合ってないならよかった〜」



「相変わらずモテるな〜渡辺くん」って言葉に、
『…だよね』って何とか笑い返した。


そのタイミングで先生が来て授業が始まる。








……翔太が、女の子と。






別に悪いことじゃない。

今までも遊んでただろうし、実際本人も言ってたし。
私たち付き合ってないし、私が焦る理由もない。

でも。
そうなんだけど、でも。





" 今はお前で手一杯 "





そう言って目を細めた翔太。

あの言葉を私は、無条件に信じ切っていたらしい。





授業が終わってから通知に気づいて、LINEを開く。
[今日来る?]
って翔太から。

一瞬躊躇ったけど、少し考えて
[バイト終わったら行く]
って返信した。

すぐに既読がついて[俺パピコ]って返ってくる。




何も返さずそのままLINEを閉じて、次の教室に向かう。
友達の話に笑って頷くけど、ずっとモヤモヤしたまま。



…その女の子と、どういう流れで一緒にいたんだろう。
何を買ったんだろう。




私が気にする理由なんてないのに、そんなことばっかり考えてしまう。

翔太が誰といても、私には関係ない。
私が聞く必要もない。


私は翔太にとって何なんだろう。
翔太は私にとって何なんだろう。


曖昧なままここまで来た私には、モヤモヤの正体も、
何もかもがわからない。




その後の授業も友達との会話も、
何も頭に入ってこなかった。

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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした! (2021年11月14日 8時) (レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 23時

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