3 ページ3
『……えっと、翔太くんさ、』
「翔太でいいよ。
絶対くん付け面倒くさいとか思ってるでしょ(笑)」
『仲良くないのに呼び捨てに変える方が面倒くさいよ』
思わず本音が出る。
そんな私に彼は一瞬驚いた顔をしてから、すぐに吹き出した。
「もう出ちゃってるって！うわ！」
手を叩いてケラケラ笑う翔太くん。
いや翔太。
もうダメだ、諦めよう。
この人の前ではもう何も通用しない。
『…だったら何、』
少し低くした声。
低くしたっていうか、地声なんだけど。
声低って笑ってから彼が言った。
「ちょっともっと話聞かせてよ、A」
そう言って手首を掴まれる。
呼び捨てが少し気になったけどもうそんなのどうでもいい。
何この人。面倒くさい。
絶対この後も面倒くさい。
「あ、コンビニ寄っていい？」という彼を見て、
完全に帰るタイミング失ったなと悟った。
.
コンビニで何本かお酒をカゴに入れながら「俺ん家でいいよね？」って聞かれる。
何でここで帰らなかったのか自分でもよくわからない。
無理って首を振ればよかったのに、私は黙って頷いた。
そんな私を見て彼はおかしそうに笑った。
会計を済ませてまた手を掴まれる。
コンビニから少ししたアパートに彼の部屋があった。
「ん、入って」
『…お邪魔します、』
後に続いて靴を脱ぐ。
多分私より片付いてる部屋に少し驚いた。
真ん中にあるローテーブルにさっき買ったお酒やらおつまみやらを広げる。
「座りなよ」って言われて、ベットを背もたれにして彼の隣に腰を下ろした。
渡されたチューハイを開けたら
「はいかんぱーい」
って缶を合わせる。
もう既に酔ってんのかな？ニコニコだし。
そんなことを思いながらひと口飲む。甘い。
「今日収穫あった？」
『あったらこんなとこ来てないよ』
「ふはは、やーば」
超ウケるって手を叩く翔太。
「すっごい作ってたよね、キャラ。恥ずかし〜とか言ってさ」
顔を煽ぐ私の真似をする。
ニヤニヤした顔にムカついた。
どうせバレてるしもういいや、と軽く睨みながら缶を呷る。
『うるさいな』
「俺のこと釣れたと思ったでしょ」
『勝手に針にかかったなって思ったよ』
「ははは！」
いや〜みんな騙されてたな〜って楽しそうにケラケラ笑う。
気づいたら2本目に口をつけていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1392人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした！ (2021年11月14日 8時) (
レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
