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噂は聞いてたしイメージはあったから遊んでたことには別に驚きはしない。
でも今あまり遊んでないことに驚いた。
私以外にもいると思ってたし。
そう言うと翔太は軽く眉間に皺を寄せた。
「いや、俺そんな遊んでねえし」
『それは嘘じゃん』
「ちょっと嘘だけど」
少し突くとあっさり認める。
まぁモテるもんなって思って納得して、
それから少しモヤっとした。
……いや、何。
別にモテてたじゃん、前から。
関わる前から知ってたじゃん、そんなこと。
遊んでたなんて、そんな当たり前の事実に何を今更。
『……彼女とか作んないの？』
「…え、どうした急に(笑)』
らしくねえって笑われる。
うるさいな。わかってるよ。
こんなの聞くのらしくないって、私が1番わかってる。
いつもだったらうるさいって言い返すけど、何故か今は出来なかった。
そんなところもらしくない。
それも私が1番わかってるし、1番戸惑ってる。
何も言わずに黙った私に翔太は少し驚いた顔をして、
それから声を出して笑った。
どこに笑う要素があるんだろう。本当にゲラだな。
そう思いながら軽く睨む。
結構真剣に質問したのに。
私の視線に気づいた翔太が「ごめんごめん」と笑いながら続ける。
「彼女もそれ以外も、当分いいわ」
『…は、』
「今はお前で手一杯」
そう楽しそうに私を見つめた。
……手一杯、って、
『…ペットみたいに言わないでよ』
「だってそうじゃん」
『逆だから』
「全っ然懐かねえけど」
猫かよって言いながら翔太は目を細めた。
しばらくして料理が運ばれてきた。
運んできたのは康二くんじゃなくて、
「あれ、康二は？」
って翔太が聞いたら
「話長すぎるからこの卓出禁になった」
ってバイトの子が教えてくれた。
それに笑ってると
「え、しょっぴー彼女？」
ってまた同じ質問をされる。
「違えよ」
『違います』
って同時に答えて、
ハモったことにまた笑った。
笑いながら考える。
誰に聞かれても、上手く説明することが出来ない
私たちの関係。
お互いそれが都合が良くて、だから今まで続いている。
翔太の前では自分を作らなくていいし、それが楽で心地いい。
別に何の不満もない。
なのに何故かモヤモヤが消えない。
私たちの関係に名前がないことが、何となく、少し不満に思えた。
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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした！ (2021年11月14日 8時) (
レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
