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しばらくしてやっとお開きの空気になって、
奢るって言う2人を押し切って無理やり割り勘でお会計を済ませた。

意地でも借りは作りたくなかった。






駅までの帰り道、
私と元カレの前を友達と同期が並んで仲良く話してる姿を見て、よかったなと思う。

本当にいい感じだ。上手く行きそう。





ボーッとそんなことを考えてたら、隣から

「…まさか会うとか思わなかった」

って声がした。





横を向くと、私を見て微笑む彼。
本当だよ。私も会いたくなかった。




『ね、びっくりした(笑)』



と笑うと、




「可愛くなったじゃん、A」
『…ええ?(笑)』
「前よりめっちゃ可愛くなったよ」



って彼がまっすぐ私を見つめる。








…なんか、息しづらいな。

『何言ってんの』と無理やり笑うと、
「いやまじで」って返される。





「俺今のお前なら別れねえわ」
『……そ?』






…今の、私なら。






『なら嬉しい(笑)』
「…ねえ、彼氏いないならさ、」
『…あ、ごめんちょっと電話来ちゃった』




何の着信もない携帯を見つめて焦ったフリをする。
「え、」と固まる彼に、今日1番の笑顔を見せた。




『…可愛い彼女と幸せになってね』




それだけ残して、じゃあねと来た道を走って引き返す。

少ししてから止まって

[ ごめん連絡しないといけない用あったから別で帰るね!頑張って! 」

と友達にメッセージを送る。




送ってからもう閉まった本屋の壁にもたれかかった。







" 今のお前なら別れねえわ "







いつまで経ってもなんだか息が苦しくて、
気づいたらLINEを開いて無料通話のボタンを押していた。




出るかな。
バイト入ったかな。
それとも他の女の子とかといるかな。



発信音を聞きながら浅い呼吸を繰り返す。
訳もわからず視界がぼやけ始めた瞬間、「もしもし」と聞き慣れた声が返事をした。





「何、今日用事あんじゃないの?」
『……翔太、』




声が聞けたことにひどく安心して、やっと深く息を吸えた気がした。

私の声を変に思ったのか、「どうかした?」って少し声色が変わる。





『…今から行ってもいい?』
「え?」
『美顔器、試させてよ』





アイスも買って行くから、と付け足す。





何となく今日は1人で居れない気がするから

友達でも恋人でもない彼に、隣にいてほしかった。

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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした! (2021年11月14日 8時) (レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 23時

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