私の "元" 王子様【黒】 (ページ7)

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「Aじゃないんだから友達はいるよ」
『最初の方余計だよ』
「でもそっち行ったらA俺と食べてくれないでしょ？」
『は？』
「俺Aと一緒じゃないと嫌だもん」

そう言ってからパンを頬張る蓮。
心なしか耳が赤い。今日そんな寒くないのにな。

『変わってるね、蓮』
「…は？」
『私だったら絶対キラキラ軍団の方行ってサッカーする』

こんな地味女といるよりも、「サッカーしようぜ！！」って走り回った方が絶対楽しい。

そう言うと、またため息をつかれた。
さっきよりも尺が長い。

『え、何、』
「バカだね、A」
『はい？』
「俺よりバカだよ多分」
『それ面と向かって言う？』

どストレートの悪口を言ってから、「これは長期戦だわ」って呟いた。

何のこと？って聞いたらまたバカって言われそうだからやめておいた。

お昼食べ終わって携帯いじりながら適当に喋ってたら、

「ねえ、てかLINE交換しよ」
『え、やだ』

突然の提案を秒で断った。
またハァってため息つかれる。

「俺と仲良くする気ないの？」
『あまりないよ』
「大丈夫、俺はあるから」
『聞こうよ』

携帯取られそうになって慌てて背中の後ろに隠す。
LINEでもいじり倒されるなんて考えただけで恐ろしい。

ヤダヤダLINEやってないって我ながらわかりやすすぎる嘘をついたら、

「……じゃあもういい、」

って蓮が俯いた。

…え、ちょ、

やめてよ、そんな急にしゅんとするの。
怒られたわんこみたいな姿にオロオロしてしまう。
やめてよ本当に、心痛くなってきた。

ええ、どうしよう。

とりあえず謝ろうと口を開いた瞬間、持っていた携帯が振動した。

画面を見ると、

［目黒蓮があなたを友達に追加しました］

の文字。

……は？

画面を見つめたまま固まっていると、

目黒蓮クラスラインから追加した
目黒蓮ブロックすんなよ

って連続でLINEが来た。
送り主は目黒蓮。

「はははっ」って笑い声が聞こえて、恐る恐る携帯から顔を上げると口に手を当てて大笑いしてる目黒蓮。

私の顔を見て、

「バーカ」

と楽しそうな顔で言った。

昼休みだけで3回もバカって言われた。

中2の私へ。

あなたが好きで好きで仕方ない王子様、
全然王子じゃないよ。