私の "元" 王子様【黒】 (ページ28)

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……え、
めめ派って、

『え、何で知って、』
「逆に今まで気づかないAがすごいよ(笑)」

あんなにわかりやすかったのにって言われて、
どこがわかりやすかったんだろうってもっと混乱する。

…そっか、亮平くんとっくに気づいてたのか。
なら少し相談しても大丈夫かな。

『……ちょっと聞いてもらってもいい？』
「ふふ、いいよ」

承諾してくれた亮平くんに甘えて、

蓮に告白されたこと、急に態度が変わったこと、
それにどう答えればいいのかわからないこと。

今思ってる事をバーって言葉にした。

「おお、攻めるな〜めめ(笑)」

って楽しそうに話を聞く亮平くん。

「でもAはそれくらいしないと気づかないか」

って言われて、さすがに自分の鈍感さを認めざるを得なくなってきた。

昨日の夜からずっと溜めてたものを外に出せて、少し頭が整理される。

それでやっと、1番気がかりなことが何かわかった。

『……蓮は傷つかないのかなって、』

これだけ気づかなかったんだから、これからも気づかないうちに蓮のこと傷つけちゃうかもしれない。

だからどう接すればいいのかわからない。

「…いいんじゃない？そのままで」

顔を上げると、キュ、と口角を上げる亮平くん。

「Aが鈍いのだって前からわかってたことだし。それを承知の上でめめは言ったんだからさ」
『…』
「Aが出した答えなら、めめは全部受け止めてくれるよ」

「だからAはいつも通りでいればいいと思うよ」
『……かな、』

亮平くんの言葉には説得力がある。
このままでいいんだって一気に安心した。

「自分に正直にね」

そう残して亮平くんは帰って行った。

『……正直に、』

ポツリと呟く。

その瞬間、バタバタと廊下から走ってくる足音が聞こえた。

「Aまだいる！？あ、いた！」

焦ったーって私を見て笑う蓮。

…私は、彼とどうなりたいのか。

「お待たせ。帰ろ」
『、うん』

わからない。
まだよくわからないけど、

また中学のときみたいに蓮と話さないようになったら、
私は少しだけ悲しいだろうなって

それだけはわかった。