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屋上に着くと手が離れて、少し寂しくなる。

ふっかがフェンスの方まで歩いていって、ガシャン、ともたれた。





「なべの話、わかった?」
『…あんまり』
「だよな」



そんな顔してたって笑われる。



「俺の話からしていい?」
『…うん、』
「ありがと」



私もふっかの隣に立った。
それを確認してから、話が始まった。





「…俺さ、ずっとAと両想いだと思ってて」
『…え、』
「でももし違ったとして、Aと今の関係じゃいられなくなったらって考えたら何もできなくてさ」



もう既に話についていけてない。


……だって
両想いって、




「そしたらなべが口実にしていいよって言ってくれて。
だから賭けって嘘ついて、名前に1ヶ月付き合ってるフリしてってお願いしたの」
『…』
「ほぼ両想いだと思ってたし、そこで絶対落とすって決めて。
そしたら想像以上に楽しいし、Aも可愛いし。
あ、もうこれいけたなって余裕こいてたらさ」




声のトーンが落ちる。

……私が、別れようって言ったんだ。




「まじで意味わかんなくて。何で?って。
思ってた以上にショックすぎて、A避けるみたいなことしちゃった」




まじごめんって謝られる。
声が出なくて、首を振った。




「でも俺、気づいたんだよね」




そう言って向かい合う。

ふっかの目に、私が映ってる。
ずっとこのままがいいなってぼんやりと思った。





「本当の気持ちは、1回も伝えてないなって」






心臓の音が速くなるのを感じる。


…ねえ、待って。
これだと、また期待してしまう。


逃げないと決めたのに、また怖くなってしまった。






『……でも…ふっか、好きな人、』
「あー、ね笑」





頭をかいて、

「振られた」

と言ってヘラッと笑った。





……あぁ。そういうこと?






『…振られたから、私のところに、』
「……は!?え、待って違う違う違う、やめてやめて」




焦った顔で肩を掴まれる。

…違うって、なにが。

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スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 21時

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