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私を見てニコッと笑ってから、今度はカメラを縦に構える。


「ちょっと横向いて」って指示されて、右を向いた。



また何回かシャッターが切られる。
少しして、

「…Aちゃん、」

って康二くん。




「Aちゃん、お昼に言ってたやん。
俺にセンサーでもあるん?って」
『あ、うん』
「俺センサーなんかないのよ。欲しいけどね!」



カシャ、とシャッターが鳴って、
それが最後になった。




「…俺がAちゃんのこと見てたから、気づいただけやで」
『……え?』




康二くんの方を向く。
立ち上がって、ゆっくりとこちらに歩いてきた。




「Aちゃんが好きやから、名前ちゃんのことずっと見てた」

「センサーとか、そんなかっこいいのちゃう」って笑う。






私は動けなかった。
信じられなかった。

でも、





今まで誰にも気づかれなかったふっかへの気持ち。
1番最初に見破ったのは、康二くんだった。





「ふっかさんのことも、Aちゃんずっと見てたらすぐわかったわ」
『…』
「ふっかさんといるときのAちゃん、全然違う顔しとるもん」





私を見て優しく笑う。

私の気持ちの異変に気づくのも、泣きそうな時に声をかけてくれたのも、全部康二くんだった。


お昼の時の、頬杖をついて私を見つめる康二くんを思い出す。
あの空気。覚えがあると思ったけど、今わかった。
…ふっかの甘ったるい空気と似てたんだ。



「でも」って続ける。





「ふっかさんと付き合ったって聞いて、よかったなって思ってたら、Aちゃんどんどん泣きそうな顔になっていって」
『…』
「…俺ならそんな顔させないのにって、思った」





私の前に向かい合うように立った康二くん。

…背、高いな。
綺麗な顔。





「俺なら、Aちゃん絶対泣かせたりせぇへん。
ずっと笑顔にする。ずっと楽しい気持ちにする」
『…康二くん、』
「ふっかさんを忘れるのに利用するんでもええから。
俺を選んで」


「俺と付き合ってください」




ハッキリと、目を見てそう言った。

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スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 21時

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