23 ページ23
色々考えてたら2時間くらい経ってて、外に出たらもう暗くなってた。
いい加減帰ろって歩き出したら、聞き覚えのある声。
「あれ、Aちゃん！」
『…あ、康二くん』
振り向くと私と同じで制服姿の康二くんがニコニコしながら駆け寄ってきた。
「何でここおるん？！」
『最寄りなの。康二くんは？』
「部活の写真取りに来てん！」
『あ、そうなんだ。気をつけて帰ってね』
また明日って別れようとしたら、グッと肩を掴まれた。
「…何か元気ない？」
心配そうに見つめる。
何でだろう。康二くんにはすぐバレちゃうな。
私は笑って首を振った。
『そんなことないよ』
「ほんま？送ってこか？」
『ううん、だい…』
「って言ってもAちゃん、絶対大丈夫っていうんよ」
言おうとしたことを当てられて言葉に詰まる。
「送るわ」って言い出した康二くんに、また大丈夫って答えようとして、
その時、電話が鳴った。
『あ、ごめん出てもいい？』
「ええよええよ」
携帯を見るとふっかからの着信だった。
表示を見て、一瞬固まる。
…いやいや、出ないと。
恐る恐る通話ボタンを押す。
『…もしもし』
「あ、A？歯医者平気だった？」
LINE返ってこねえからって言われて、未読のままだったことを思い出す。
『あ、ごめん今終わって。平気だったよ』
「そっか」
一瞬の沈黙。
どう切り出すか迷ってるのかなって、何となくわかった。
「…あのさ、照が言ってたことなんだけど、」
『……何だっけ？笑』
ごめん忘れちゃったって笑う。
情けない。
情けないけど、怖い。
ふっかのことを、気持ちを、知るのが怖い。
『歯医者の衝撃で忘れちゃった。何か大事なこと言ってた？』
「…いや、なら平気。大丈夫」
『逆に気になるんだけど笑』
明らかにホッとした声。
やっぱり知られなくないんだってまたモヤモヤが再発する。
『…じゃあ、もう私帰らないとだから切るね』
「……待って、Aなんかあった？」
じゃあって言おうとして、止まる。
『…なんで？』
「や、なんか。声元気ないなって」
『…そんなことないよ』
普通だよって笑って答える。
…何でこんな時だけ気づくの。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 981人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (
レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 21時
