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『…離してよ』
「だってA怖がるじゃん」
『もう平気』
「じゃあ俺が怖いからこうしてていい？」
嘘つけ。
あんなニコニコ足踏みしてたくせに。
抱きしめられてるからって、普通に突き飛ばせば離れられる。
それなのになかなかそうすることが出来ない。
ふっかの目に吸い込まれるみたいに、動くことが出来ない。
しばらく見つめ合ってると、私の頬をなぞるふっかの手。
そのままゆっくりと顔が近づいてきた。
…え、
え、待って、やばい。
これは、だって。
どうしよう、と固まってたら、
『…くしゅっ、』
「……は？」
あまりにもタイミングよくくしゃみをしてしまった。
その反動で顔を思いっきり背ける。
「……」
『……申し訳ない』
「ふっ、ははっ！」
なんか気まずくて謝ると、爆笑し出したふっか。
ツボに入ったのか笑いが止まらない。
「えっ、何今の！？めっちゃびっくりしたんだけど！」
『…ごめんて…』
「嘘でしょ！？やばくない！？はは！」
はー面白いってまだ思い出し笑いしてる。
そんなふっかと反対で、私はめちゃめちゃ恥ずかしい。
避けなかった。
くしゃみ出なかったら、私、避けなかった。
…いや本当、何やってんの。
思い出して顔が熱くなる。
「やっぱいいわ、A」
するとポン、と頭に手が乗った。
振り返ると、またすぐ横にふっかの顔。
「…今度続きするから、次も避けないでね」
そう言ってヘラッと笑った。
また更に顔が熱くなる。
そんな私を見て、満足気に微笑んだ。
.
観覧車を出て出口に向かう。
少し先を歩いていたふっかが振り返って
「少しは気晴らし出来た？」
って聞いてきた。
少し考えてから、
『…うん、楽しかった！ありがとう』
と答える。
するとふっかは「ん」って嬉しそうに笑って、また手を繋いだ。
私のこのモヤモヤは、ふっかといて消えることはない。
どんなに楽しくても笑っても、それと同じくらい悲しくなったりつらくなったりしてしまう。
視線を感じて隣を見る。
彼と目が合って、「んー？」って微笑まれた。
甘い。
甘くて、優しくて、幸せで、
……溺れそう。
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スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (
レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 21時
