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『でも時間読めないし、気になっちゃうから帰ってていいよ。ありがとね』
「…そう?」
教室でバイバイして集合場所の教室に移動する。
「あ!Aちゃん!」
教室に入ると、隣のクラスの女の子が手を振ってくれた。
手を振りかえしてその後ろに座る。
『おつかれ〜』
「本当おつかれ!委員会あると倍疲れるよね」
先生が来るまで喋ってたら、途中で「あ!」ってその子が何か思い出した。
「ねえ、Aちゃんと深澤くんって付き合ってるの!?」
そっか、そりゃ1ヶ月近く経つから広まってるか。
引き攣ってませんようにと思いながら笑う。
『んー、まぁ』
「やっぱそうなんだ!良いよねぇ2人。美男美女で!」
『美男でも美女でもないよ笑』
「ほら、深澤くん3枚目いじりできるのも仲良い人だけじゃん?」
…そうだね。
そのポジションにいれることが、私は1番嬉しかったし、誇らしかった。
ずっとそのポジションを守りたかった。
…でも、ふっかは?
私がずっとそこにいたことで、好きな子とのチャンスがなくなっちゃったかもしれない。嫌な思いをしたかもしれない。
そう考え出すと止まらない。
どんどん深みにハマっていく。
そんな私に気づくことなく、女の子はニコニコで喋り続けた。
「私の友達が深澤くんに告ったらしいんだけど、好きな子いるからって断られたんだって」
『……え、』
…はい、グサ。
もう確定だ。
私が固まったのを違う意味で捉えたのか、
「今はもうその子吹っ切れてるから心配しないで!」
って補足される。
「誰だろって思ってたけど、Aちゃんのことだったんだね」
Aちゃん可愛いからなぁ〜!って。
違う。違うよ。
だって私は、付き合ってるフリしてるだけだもん。
『……なんか恥ずかしいな、笑』
「ふふ、私の推しカップルなんだ〜」
すると丁度先生が教室に入ってきた。
話を終わらせられて内心ホッとする。
…1ヶ月より前から、ふっかがずっと好きな女の子。
何で私はその子じゃないんだろう。
何で私は、1ヶ月だけなんだろう。
そんなことを思ってしまった。
『……バカみたい、』
付き合ってるフリって、
そういう設定って、最初からわかってたのに。
もっと好きになっちゃって、バカみたい。
こんなに苦しくなって、バカみたい。
委員会の内容は全く入ってこなかった。
ずっと涙を流さないことだけを考えてた。
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スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 21時