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中に戻ったら翔太は私の隣に座ってて、私を見るなり「ひとりにしないでくれます？」って文句言ってきた。
翔太と一緒に私ももう1杯頼んで、
2人で喋りながら飲んで、翔太がお水頼むついでに「Aは？まだ飲む？」って聞かれた。
今の時点で少し眠い。
多分もう私のキャパ丁度くらいなんだろう。
チラッと前を見ると康二くんが少し遠くにいる深澤くんと楽しそうに言い合ってた。
…やめてほしい。
私より私のことをわかってる彼が、
嫌で嫌で仕方がない。
苦しい。
じんわりと涙が滲んだ。
何も答えない私を変に思ったのか、翔太にメニューから顔を上げて「A？」と顔を覗き込まれる。
「…え、何、どうした？」
『…ちが』
涙が頬をつたって慌てて俯く。
止まらなくなってただ顔を覆った。
「…え、A、」
向かい側から康二くんの声。
…顔を見なくても、心配してるってわかる。
それを合図にみんなが「え、大丈夫？」って徐々に気づき始めた。
違うのに。
泣きたくないのに。
…もう、康二くんのことで泣きたくないのに。
止まれと思えば思うほど涙が止まらなくて、
どうしようって焦ってたらグイッと肩を抱かれた。
「ちょっと飲みすぎちゃったっぽい。
風当たらせてくるわ」
そう言って、私を抱えたまま「歩ける？」って翔太。
顔を覆ったまま頷いて席を立った。
「大丈夫？」って心配する声に、
「久々だから弱くなったんじゃない？(笑)」って私の代わりに翔太が返してくれた。
また外に出て、「平気？」って座らせられる。
「気持ち悪い？」
首を振る。
まだ限界値を超えたわけじゃない。
「泣き上戸？」
また首を振る。
泣き上戸じゃない。私は寝ちゃうらしいよ。
「……まだ、康二が好き？」
体が強張る。
少ししてから、ようやく首を振った。
それに翔太が「は、(笑)」って笑う。
「いやもう嘘じゃん」
下手かよって軽く頭を掴まれる。
それからぽん、と撫でられた。
「別にそれで俺のつらさ変わんないから」
気遣わなくていーよって。
「付き合ってる時から見てたし。今更ショックとか受けないわ」
その言葉にまた首を振る。
『…ちがうもん、』
「え？」
『…もう好きじゃないよ…』
終わったから。
もう康二くんは関係ない。
私が笑うことにも泣くことにも、康二くんは関係ない。
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noa(プロフ) - 最後翔太くんを選ぶ展開最高です！感動しました！ (2022年10月24日 20時) (
レス) @page40 id: 17a3519150 (このIDを非表示/違反報告)
ぴか(プロフ) - めっちゃ泣きました‼すごいよかったです‼ (2022年10月24日 11時) (レス) @page40 id: 24a776f541 (このIDを非表示/違反報告)
1RNw1b57PQuD3Q9(プロフ) - 胸が苦しくなりながら何回も読み直しました。大好きなお話です。康二君側の視点のお話も読んでみたいです。また素敵な作品待ってます。 (2022年9月23日 22時) (レス) @page40 id: bdaaf2c045 (このIDを非表示/違反報告)
hs.(プロフ) - 期待を裏切る展開が面白く、切なくて、でもそれぞれが真っ直ぐに向き合ってる姿に心打たれました！とても素敵な作品でした。また次回も小説楽しみにしてます！ (2022年9月7日 11時) (レス) id: 37efc71d63 (このIDを非表示/違反報告)
rio66(プロフ) - めっちゃ面白かったです！😭翔太くんが一途で最高だったし、なにより話の展開が面白くて読むのが楽しかったです！😭♡涙腺崩壊してめっちゃ泣きましたァ😭😭 (2022年9月4日 23時) (レス) @page40 id: 1b1cdc44f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2022年8月6日 23時
