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私の少し後に康二くんがお店の外に出て、2人で並んで壁にもたれる。
何を話すかわかってはいるけど、何から話せばいいかわからなくてとりあえず『元気？』って聞いてみた。
「何やそれ(笑)そっちは？」
『まあまあ』
「俺は元気じゃない」
『あら』
「Aと別れてから、ずっと元気じゃない」
『…』
「『あら』ちゃうねん」
って小突かれる。さすがに何も言えない。
「俺、Aはずっと隣におるって勝手に思ってた」
『…』
「安心っていうか…甘えてた」
間違ってないよ。
私もずっと隣にいると思ってた。
「Aがいなくなってから、他の人にもどう接してたかわからなくなった」
Aがおった時はいろんな事に気づけたのにって。
「Aがいなくなって、Aのことしか考えられなくなって」
『…』
「…多分もう俺、A以外に優しくできひんと思う」
ぷく、と頬を軽く膨らませる。涙を堪える時の癖。
多分、私だけが知ってる癖。
『…そんなことないよ』
「…」
『康二くん、優しいもん』
そう言うと、本当に泣きそうな顔になった。
ごめんね。
だけどもう、本当に終わり。
「…もう絶対に戻られへんの？」
『…』
「やり直させてって言っても、絶対に無理？」
『…康二くん、』
「もう俺のこと好きやない？」
『、』
言葉に詰まった。
戻れたら。
やり直せたら。
私だけに優しかったら。
『…ごめん』
「…」
『もうダメだ、私』
私は気づけなかった。
康二くんが気づいて優しくしてきたいろんな事に、私は気づけなかった。
その時点でもう、私たちはダメなんだと思う。
『ごめんね』
優しくなれくて、ごめん。
するとその時、「あれ、A？」って前から呼ばれた。
私と同じように康二くんも顔を上げる。
『翔太』
「え、何2人で並んで」
『…何でも。ちょっと話してた』
「俺Aが来るって聞いたから来たんだけど」
私たちを見て少し不機嫌そうな顔をした翔太の言葉に康二くんが「え、」と小さく声を上げる。
反対に私は微笑んだ。
『すぐ戻るから先行ってて。深澤くんが歓迎してくれるよ』
「いらねー」
そういう時、軽く笑って店に入って行った。
ドアが閉まって、また外が静かになる。
『…私たちも戻る？』
沈黙を破って聞くと
「… Aってしょっぴーと仲よかったっけ？」
…もうこれで、本当に終わり。
もう、私たちは。
『…ちょっと前に付き合ったの、翔太と』
バイバイ、康二くん。
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noa(プロフ) - 最後翔太くんを選ぶ展開最高です！感動しました！ (2022年10月24日 20時) (
レス) @page40 id: 17a3519150 (このIDを非表示/違反報告)
ぴか(プロフ) - めっちゃ泣きました‼すごいよかったです‼ (2022年10月24日 11時) (レス) @page40 id: 24a776f541 (このIDを非表示/違反報告)
1RNw1b57PQuD3Q9(プロフ) - 胸が苦しくなりながら何回も読み直しました。大好きなお話です。康二君側の視点のお話も読んでみたいです。また素敵な作品待ってます。 (2022年9月23日 22時) (レス) @page40 id: bdaaf2c045 (このIDを非表示/違反報告)
hs.(プロフ) - 期待を裏切る展開が面白く、切なくて、でもそれぞれが真っ直ぐに向き合ってる姿に心打たれました！とても素敵な作品でした。また次回も小説楽しみにしてます！ (2022年9月7日 11時) (レス) id: 37efc71d63 (このIDを非表示/違反報告)
rio66(プロフ) - めっちゃ面白かったです！😭翔太くんが一途で最高だったし、なにより話の展開が面白くて読むのが楽しかったです！😭♡涙腺崩壊してめっちゃ泣きましたァ😭😭 (2022年9月4日 23時) (レス) @page40 id: 1b1cdc44f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2022年8月6日 23時
