夜... ページ18
＿＿＿＿＿＿＿＿＿in ？？？
コツッ
『皆、お待たせ』
私の周りを黒い靄が取り囲む
「待ってた」
「いい子に待ってた」
「遊ぼ、遊ぼ！」
子どものような無邪気な声が辺りを包む
『うん。今日はいっぱい遊ぼ！』
トランプ？それともチェス？？
はたまた皆とお出かけ？
いや、今日は＿＿
『鬼ごっこしよ！』
「鬼？？」
『そう鬼。昔、ある国で教えてもらったんだ』
ただ走って、捕まえてまた、走って捕まえる。
理解できない遊び。
「【 ごっこ 】なんて変なの」
「変、変！」
『そうだね。変でしかない』
最初はそう、思った。
「本物の鬼がいるのに、どうして【 ごっこ 】なんてするの？」
「当たり前のことだよ。【 ごっこ 】
じゃないと、食べられちゃうもの」
『けど、そんな子ばかりじゃ無いのは君達が
一番知ってるでしょ？』
「もちろん！鬼の子達は昔から疎まれていた
からね」
「もう、Aの常連そのものだ」
『えぇ、だからこの遊びを考えた人は
仲良くなれると思ったんじゃないかな？』
私の手を握ったように
「甘いね」
「砂糖より甘いね」
みんな、辛口だなぁ〜
「でも、そこがAに好かれる理由なんだね」
『そうだね。こんな神様に好かれるなんて
たまったもんじゃないね』
その手を離す事が出来なくなるなんて
そんなの思いもしなかっただろうに
『あ、』
そういえば
『ハーツラビュルの方でパーティーがあるんだ
一緒に行かない？』
「．．．いいの？」
『ちょこっと料理が無くなったぐらい、わからないって』
「昔はあんなに真面目の塊みたいだったのに」
「悪い子だ」
「ダメな子だ」
『うるさいよ！』
好き勝手に言ってくれちゃって、まったく。
真面目の塊だなんて、あんなの当たり前の事を頑張っていただけ
それに真面目に頑張っても結局
変わらない【 者 】は変わらないのだから...
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作者名：ikanosuke | 作成日時：2020年8月30日 0時
