43話 ページ43
任務の帰り道、その日はただ何となく自分の足で歩いて帰りたかったからと言う理由で車には乗らなかった
差程高専まで遠くはない距離で気分転換も兼ねて歩いて帰る
車の通りを少ないのどかな道
稲田が秋風に吹かれてさらさらと動く声に、耳を傾け胸を轟かせているとそれをぶち壊す様に1台車が私の横に止まった
窓が開きそこからはいとこである吾妻拓斗が顔を覗かせた
『…何の用ですか?』
せっかくの雰囲気をぶち壊されて自然に声が強くなる
「高専まで送っていくよ」
『結構です』
再び歩き出そうとすると慌てて止められる
「ちょっと待って!少し!少しだけでいいから!」
必死に私を引き止める年上のいとこ
きっとお爺様に何か言われているのだろう
『…手短にお願いします』
車のドアを開け車内に乗り込む
車内には運転手と吾妻拓斗と私、だからといって気を緩めたのが悪かった
パチッと指と指が擦れる音がする
その瞬間一気に眠気が襲ってくる
今になって思い出す
─────この人、精神干渉系の術式だった…
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時