31話 ページ31
館の中は薄暗く、いくつもの扉の先に光はなく、密度のある暗がりが重なり合うように更に奥に続いている
ふと館の中に第三者の気配を感じた、私と伏黒くん以外に他の何かがいるような
それは呪霊の気配ではないような何か…
それに加え強烈な血の匂い、ドロドロとした鉄が鼻の奥にこびりつくような嫌な匂い
辺りをさっと見回したがもちろん何も見えない、そこにあるのは何かの気配
「蔵野先輩?」
伏黒くんを見るあたり、第三者の何かの気配と血の匂いはわからなそう
『…大丈夫ですよ、先に進みましょうか』
「はい」
通路の先からガチャガチャと何かが擦れ合うような音が響き始めた
やがて暗闇の奥からにじみ出てきたのは白骨死体の集団、しゃれこうべがカタカタと音を鳴らす
『骸骨ですか…数は10体以上、15体未満。伏黒くんは撃ち漏らした骸骨をお願いします』
「わかりました」
狭い通路で蔵から一斉に射撃をしては伏黒くんの式神に危害が及ぶかもしれないと思い、彼らが体勢を整える前に先頭にいた骸骨の顔面に拳撃を叩き込む
ただ単に殴りつける動きではなく、拳を添えその後に蔵の中の武器を1個元の呪力に戻し瞬時に呪力の塊を打ち込む近接戦闘で使う術式「戻し打ち」
これは拳だけではなく、蹴りや頭突き膝打ち等、四肢の届く範囲で使用可能な術式
ガラガラと音をたてながら崩れていく骸骨
残りの骸骨をかたずける為に体勢を整えた
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時