17話 ページ18
『今日はありがとうございました』
「僕も楽しかったよ」
頭を軽く下げお礼を言うと五条先生はサングラスの奥で優しく笑っている
スイーツ食べ放題のあと五条先生と少しぶらぶら買い物をしてわざわざ家まで送ってもらった
送ってもらわなくても大丈夫だと言ったが送ると言って聞かないのでお願いすることにした
「あっそうだ」
五条先生は何かを思い出したようにポケットをごそごそとあさり始めた
手には小さくラッピングされた袋、それをするりと解き中からキラキラと輝くブレスレットを取りだした
「手出して」
『え?』
「いいから」
私の右腕をとりあっという間に手首にキラキラと輝くブレスレットが着いていた
数秒魅入ってしまうくらいに綺麗なブレスレット、眼もさめるような黄玉の透き通った装飾
「うん、似合ってる。肌身離さず着けてね」
肌身離さずとは無茶振りにも程がある、こういう物は大切にしまっておくのが普通だ
『えっと…』
「わかった?」
困惑していると有無を言わせないような声で聞いてくる、私に拒否権は無いらしい
『…わかりました』
五条先生は満足したように私の右手を掴んだ
最初はなんだろうなんて軽くしか考えていなかったがどんどんスローモーションになっていく光景
私の右手は五条先生の口元までいき、手首にキスを落とされた
その瞬間私の中の世界は停止、何も物事を考えることが出来なくなった
五条先生はじゃあねとだけ言い帰っていく
やっと思考が戻ってきたのは五条先生が見えなくなってからだった
顔がどんどん赤くなっていくのは自分にもわかるほど熱をもっている
私の中で今にも溢れ出そうな箱を無理やり抑え込む
私は呪術師でいつどこで死ぬかも分からない身、ましてや先生と生徒
考えることをやめるため、目を瞑った
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時