15話 ページ16
土曜の11時
雑踏の中改札を出てすぐに五条先生を見つけた
背後の壁にもたれて、物思いにふける美青年、髪を下ろしてサングラスに変わっただけなので間違いなく五条先生
近くを通りすぎる女性達が気をとられる程立ち姿が妙に絵になっている
目立たないようで目立つ、格好はシンプルだが漂うオーラが人間離れしているせいで隠しきれていない
声をかける前に一応自分の姿をチェックする
黒色のノースリーブにライトグレーのプリーツスカートは少し地味だったかもしれない、柄にもなく髪も少しアレンジしたりと朝から支度をしてしまった
髪を手ぐしで少しだけ整え直し、五条先生の前に向かった
『五条先生、遅くなってすみません』
私を見た五条先生は眉をひそめた
「…驚いた、思っていた以上に可愛い」
『…からかってます?』
直球に褒められては逆にからかっているのかと思ってしまう、なぜならあの五条先生だからだ
「褒めてるよ。あ、あと今日先生呼び禁止ね。悟って呼んで」
『…ふざけてますよね?それに先生と生徒って自覚あるなら…』
むにっと唇に先生の指が触れ話を強制的に遮られた
「これ以上先生と生徒ってワード出したら次は口塞ぐからね、もちろんキスで」
『キッ!キス!?』
五条先生の口から先生と生徒よりもとんでもないワードが出てきた
先生と生徒という自覚はあるらしい
「悟って呼んでね、呼ばなかったら口塞ぐから、はいさーん、にーい」
急にカウントダウンが始まり五条先生にキスなんてされてたまるかと急いで名前を口にした
『さ、さっ、悟』
呼んでおいてどんどん恥ずかしくなっていく
五条先生は満足したように「よくできました」と言い私の頭を数回撫でた
今日はなんだか調子が狂う……
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時