宮侑と別れまして【宮侑】 (ページ36)

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36話ページ36

あたりの空気が重みをもっていて、四方から圧縮してくるような息苦しさに、気まずい雰囲気が教室中に充満している

「侑、なんでこうなったんや」

「すみません…」

宮侑の前に仁王立ちでいる北信介の顔は無表情だが目が怒っている

「留年なんかしたら周りに迷惑がかかるやろ、少しは考えや」

「はい…」

部活を引退したのに宮侑の面倒をみる北信介に周りの部員はなんとも言えない気持ちになっていた

「あれやなツムが留年したら後輩になるな」

「よかったな侑、また1年長くバレーできるで」

「それっていいことなの？」

宮治、銀島、角名の順に話す

「あんたらが先輩とか嫌やわ！」

「なら留年するなや」

「…はい」

北信介の正論パンチに黙り込む宮侑

そのタイミングで教室の扉が開く

『用事ってなんですか？』

教室に来たのは角名に呼ばれて来たAだった

Aはこの重々しい雰囲気とテスト二週間前になっていたのでいろいろと悟った

『侑くん、これから二週間きっちり教えるから』

Aの顔は笑っているが目が笑っていなく宮侑はその怖さに背筋が凍った