宮侑と別れまして【宮侑】 (ページ22)

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22話ページ22

稲荷崎高校の方の応援席はどこも埋まっていて座る場所がなかったので飛雄がいる烏野高校の方の応援席に座ることにした

「君は見ない顔をだけど…誰かの家族？」

応援席の前の方に行くとセンター分けの眼鏡をかけた男性と金髪の男性が"大売出し"と書かれた法被を着ていた

『家族と言うか…影山飛雄のいとこです』

「へー影山くんのいとこさんかー」

『はい』

試合時間が近くなり稲荷崎高校バレー部が入って来ると同時に吹奏楽部が演奏し始めた

「…白鳥沢の全校応援も凄かったけど…これは…もう大楽団じゃねえかよ…」

金髪さんが引きつった顔で喋る

『稲荷崎は吹奏楽も強いんですよ』

「稲荷崎について詳しいんだね」

『まぁ、通っている高校ですからそれなりには詳しくなりますよ』

隣でセンター分けのお兄さんの顔が驚いた顔に変わった

「えっ…こっちにいていいの？」

『はい、大丈夫です』

「いや…でも…」

何がそんなに問題なのかわからないが大丈夫だと何回も言う

侑くんにバレたらちょっとあれだかバレることは無いだろう

視線をコートに戻すとアップをする侑くんと目があってしまった

なんでそこから私の場所がわかるのだろうか…

急いで視線を逸らすがもう遅い、侑くんは"なんでそこにいるんや"みたいな怖い顔をしながら私のことをじーっと見てくる

とりあえずもう一度視線を逸らした