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19話 ページ19

会場に着き飛雄に会う少し前









春高バレーを見に多くの人がいて会場は混雑していた









こんなところで落し物をしたら見つからないだろうなと考えながら歩く









「あの、落としましたよ」









すごく落ち着いた声がする方を見るとその人の手には私のパスケースが握られていた









『あっ、ありがとうございます』









軽く頭を下げお礼を言う









「いえいえ」









考えていた傍から落し物をするなんて不甲斐ない









その人からパスケースを受け取る














その人は白と黒のユニホームを着ていたのでこれから試合に出る選手なんだろう、ユニホームには梟谷と書いてある









『あの…試合頑張ってください』









気づいたら無意識のうちに言葉が出ていた









しかし、1度口から出てしまった言葉を引っ込めることはできない









『……え〜と。今のは……その……』









もしかしたらもう試合は終わっているかもしれない、それにこの人は試合に出なかったり…









目の前にいる選手は驚いた顔をしている









私は取り返しのつかないことを言ってしまったのかもしれない









「ははっ、ありがとうございます」









口元を軽くおさえ笑っている姿からすると私の発言は大丈夫なようだった









『じゃあ私はこれで…』










「はい」









時間も時間だったのでもう一度軽く頭を下げ目的の場所まで向かった

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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年5月23日 12時

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