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10話 ページ10
…体が熱い
額に角が生えるような錯覚
背に羽が生えるような錯覚
手に鱗が生えるような錯覚
踝に水が満ちるような感覚
……汗が滲む
ザクン、ザクン、と体内に剣が突き刺さる
『あぁっ…』
膝から崩れ落ちる
頭の中身が、すとん、と音を立てて、ごっそりと抜け落ちたような感覚
そして空白の記憶が、頭の中に溢れ出した
塞いでいた蓋を押しのけ、泥水のように、記憶が流れてくる
当時の自分の姿や、過ち、悔恨の思い、13年前の記憶が現れた
『い、やっ、…』
自分が自分でなくなっていく感覚が身体中を駆け巡る
視界が赤く染まり、逃げることさえも許してくれないように意識がだんだんと薄れていった
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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年2月28日 21時