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9話 ページ9
『……ここですか』
目の前の一角に足を踏み入れると、時間の歩みが少しばかり遅くなった気さえするそんな場所
月明かりに照らされた無人の田舎道を歩き出す
脇見をすれば、草木を撫でる一陣の風が葉を波のように揺らしていた
さやさやと涼しげなその音に幽玄たる虫の音色がひっそりと混ざっている
月夜の林を眺めながら目的の場所まで歩いているとふと妙なものを見つけた
道祖神を祀ったいちさな祠────
屋根の高さは腰丈ほどしかなく、奥にある石像も相応に小さい
引き寄せられるように祠に収まった石像を見る
そこに彫られていたのは、自分によく似た顔だった
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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年2月28日 21時