7話 ページ7
『……五条先生』
「…あ"?」
禪院さんは露骨に顔を顰め、五条先生の前に立ち塞がる
「ひさしゅうなぁ、悟くん。何しに来たんや」
「何しに来たってそんなの僕の可愛い生徒を連れ戻しに来たんだよ誘拐犯ー、あれ見ない間にお爺ちゃんになっちゃった?」
2人の会話はどんどんヒートアップしていく
巻き込まれる前にこの場から退場しようとゆっくりバレないように部屋から出ようとしたが無理だった
「Aどこ行くの?」
「Aちゃんは待っとれ」
『……はい』
お互いが今にも爆発しそうなほど呪力を放出させ自然と自分の体に力がはいる
「悟くん、Aちゃんは俺のもんや。結婚する約束した仲やねん、部外者は黙って指でもくわえて見とれ」
「はぁ?僕はAと縛りをかけてるの、勝手に結婚の約束とかしないでもらえます?」
双方の額に青筋を張りあーでもこーでもないと言い合いを続けているがその内容は私の意思をフル無視している
私は禪院さんと結婚するつもりも無いし、五条先生とは縛りがかかっているけどそれ以上でもそれ以下でも無い関係
いい大人が子供じみた言い合いを聞いていてふつふつと腹がたってきた
『帰ります』
2人はこちらに気がまわらないくらいヒートアップしている言い合いに夢中のでそれだけ言い部屋を出る
五条先生のことだから伊地知さんに送ってもらっていると思うので車が駐めてありそうな場所に向かうと黒い車が駐まっていた
『すみません、伊地知さん。高専までお願いできますか?』
急に現れた私に驚きを隠せていない伊地知さん
「あっはい、大丈夫ですが…その…」
『五条先生は置いてきました』
「えっいいんですか?」
『いいんです』
いいもなにも自業自得なのだからしょうがない
車が動きだそうとした時、車の窓から禪院さんと五条先生がこちらに向かってきているのが見えた
「どっどうしたら…」
伊地知さんも気づいたらしく分かりやすくおろおろとしている
『このまま車を出してください』
ここであの2人に捕まったらめんどくさい、逃げるのが得策だと考える
伊地知さんには申し訳ない、後でお茶菓子でも持っていこう
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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年2月28日 21時