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5話 ページ5

『……ん……』


何か、冷たい手にでも撫でられたような気がして、ふと、眼を開けると、うつつな、淡い網膜に、人影が映った


「やっと起きたか」


『───ッッッ!へ、変態!ロリコンですか!』


布団から勢いよく出る


着ている物は制服ではなく何故か浴衣を着ていて自然と涙目になってしまった


「おい待てや、何もしてへん。それにロリコンやないしAちゃん18歳以上やからセーフやセーフ」


『そういう問題ではありません!』


自分の体を調べるが特に何も違和感はない


途端に恥ずかしくなり顔が赤くなるのが自分でもわかる


いたたまれなくなり窓に向かって駆け出し、開けようとするが窓はびくともしない


秋と言っても夜なので寒く布団を引っ張る


『これは一体なんなのですか』


「そんなん逃げないようにするためや」


勝手に連れてこられ帰ることもできないなんて理不尽極まりない


『いい加減にっ、』


刀で切りつけてやろうと思い1歩足を踏み出すと布団に足を取られ滑る


景色が転がり来るであろう衝撃に目を瞑るが来たのは衝撃ではなく人の感触だった


「えろう積極的やな」


『すっ、すみません…』


直ぐに体を退けようとするが右手を掴まれてしまった


『あの…』


「……Cか」


『ぶっ飛ばしますよ!』


「おー怖い怖い」


禪院さんから離れ距離をとるがずっとけらけらと笑っている


─────絶対に朝一で抜け出してやる

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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年2月28日 21時

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