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半ば無理やりギターを持たされて、仕方なくピックを握る。今流行っとるあの曲にしようや、私歌うから。な？なんて言われたら、弾かない選択肢はなかった。Aの歌を初めて聞けんねんで？弾くしか無いよなぁ。
オレが弾き始めて、Aが歌う。オレら四人しかいない教室に音が響く。オレの拙いギター、Aの素朴で甘い歌声。それを聞いて、二人も近くの椅子に座った。
「やば、オレも入るわ、ええ？」
「……ええで」
「じゃあ俺も、ええかなAちゃん」
『うん！』
ニッシーのベースが音に厚みを生んだ。アキラのハモりで一気に完成度が高くなる。ああ楽しい。アドリブをいれながら弾くと、ニッシーも遊んでは笑う。そんなオレらを見て、歌いながらAとアキラは目を合わせて笑っていた。
楽しい、楽しい！A以外の人間もこんなにおもろい奴がおんねんな！
『〜。……はは、楽しいね！』
「そうやな、Aちゃん歌うまいわ、バンド入らへん？」
『私はええよ、親がそういうの許してくれないし』
「えー、残念や。ニッシーもどうやった？」
「めっっっちゃ楽しい！ゾムくんギター上手いね！授業中聞こえてきたのとは全然ちゃう！」
「……はは、あの頃はホンマ、適当やったから」
Aが好きだと言ってくれたギター。家でも練習した甲斐があったな。
『……ゾム？顔が緩んでるで？』
「そ、そうか……？」
「ゾムくん、バンドやろ！オレ仲良くなりたい！」
「うん、バンドやろうよ。オレのボーカルでいいなら……どう？」
すぐに言葉が出てこーへんくて、Aを見たらニヤニヤ笑っとった。その笑いはなんやねん、肩を軽くパンチしてオレも笑う。もう寂しくない、一人じゃない。
「……シシシ、ま、よろしく頼むわ！」
*
「あの時無理矢理バンドに誘ってくれてありがとう」
『ふふ、うまく行くと思っとったよ。その後どう？』
「オレが生徒会で忙しくなってからはあんま弾けんくなってもうたけど、あの二人とオンラインでゲームしとるよ」
『あれ、ゲームする人たちやっけ？』
「オレが誘った、絶対楽しいと思って」
バンドというには俺たちは未熟やった。でも放課後、空き教室で弾くギターは最高やし、なにより二人が滅茶苦茶おもろい。元問題児がギターに目覚めて改心した、そんな噂が流れてグルッペンの耳に入り、生徒会へスカウトされたのは笑ったけどな。
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人妻すここ(プロフ) - 魔王さん» コメントありがとうございます、最高という言葉をいただけてとても嬉しいです、こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年3月26日 5時) (
レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
魔王(プロフ) - 一気に読んでしまいました！！正直最高過ぎて最後泣いてしまいました！！素敵な作品をありがとうございます！！ (2021年2月20日 22時) (レス) id: 647071a1ea (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - 都築さん» ありがとうございます、その言葉がとても嬉しいです。ゾンビももう少しで二章が始まるので少々お待ちください…！コメントありがとうございました。 (2020年7月29日 6時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - 猫目さん» 一気読みしていただいてありがとうございます。結構重苦しくて万人受けしないので大好きと言っていただけて安心しました。コメントありがとうございます。 (2020年7月29日 6時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - 矩華さん» 一気読みありがとうございます。番外編は考えていなかったんですが、コメントいただいて面白そうだと思ったのでいつか書きます！その時はまた読んでいただけると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2020年7月29日 6時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すこ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/home
作成日時：2020年4月1日 15時
