ダイヤモンドを溢して ページ18
........
屋上の扉が開かれる。大先生が歩いている時に言った"私の味方"。その意味は薄々わかってはいた。
生徒会の何人かが私を助けようと動いていて、繰り返していただけの今日が少しずつ変わっていっている事。その数人が、私と同じように記憶を持ってしまっている事。でも、なんでここにオスマン先生が居るん？
『マンちゃん……？』
「おう、堂々とサボってんなぁ、元気そうでよかったわ」
『なんで？なんでここにおるん？ねぇ、』
横にいる大先生も驚いてるだろうと顔を向けると、満足そうにこちらを見ていた。なんで？今までの六月十五日には出てこなかったやん。
「とりあえず手ぇ離そうか大先生」
「なんや、嫉妬かぁ？」
『トントン？』
「そんなんちゃうわ」
勢いよく、でも優しく私と大先生の手を離すトントン。繋がれていた手をパッパッと払って満足げに手を離した。
『トントン、なんでみんなおるん？なんで、マンちゃんも？』
「大先生に呼ばれたんや。今日の夕方"ここ"に来いって。まあ、さすがにグルッペンも来ると思わんかったけど」
「……ふん、」
腕を組んで屋上のフェンスに寄りかかるグルッペンお兄ちゃん。私と目を合わせると、気まずそうに顔を背けた。
「エミ先生、やっぱマンちゃんに頼んだんやね」
「はい、私よりもオスマン先生の方が適任だと思いまして」
「僕もそう思うわ」
「随分信頼されとんね、僕」
「そらそうや、担任の先生やもん」
話についていけなくてトントンを見る。トントンは少し笑って、頷いた。私に安心させるためにしたんだろうけど、全くわかんないよ、マンちゃんはただの担任の先生やん。
『待ってよ、わからん……私、はよ帰らんとあかんねん。家が厳しくて、はよせんと』
「待って、まだ帰らんで」
『じゃあちゃんと説明してや。なんでみんな屋上に集まってるのか、なんでマンちゃんも居るのか』
「ちゃんと説明する、安心してや。それに、僕も話を聞きたいし」
もうだいぶ日が暮れてきた。はよ帰って義父さんに顔を見せんと……帰らんと、また何されるかわからん。帰らんと。帰らんと。帰らんと。
……嫌や、帰りたくない。
「僕らはAちゃんを助けたいんや……女子からいじめられとるやろ」
『……ええよあれぐらい、もう慣れた』
「あと、もうひとつ」
『？』
「家のこと、なんか問題あるんやろ？」
『……え？』
なんで大先生が知っとるん……？
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人妻すここ(プロフ) - 魔王さん» コメントありがとうございます、最高という言葉をいただけてとても嬉しいです、こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年3月26日 5時) (
レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
魔王(プロフ) - 一気に読んでしまいました！！正直最高過ぎて最後泣いてしまいました！！素敵な作品をありがとうございます！！ (2021年2月20日 22時) (レス) id: 647071a1ea (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - 都築さん» ありがとうございます、その言葉がとても嬉しいです。ゾンビももう少しで二章が始まるので少々お待ちください…！コメントありがとうございました。 (2020年7月29日 6時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - 猫目さん» 一気読みしていただいてありがとうございます。結構重苦しくて万人受けしないので大好きと言っていただけて安心しました。コメントありがとうございます。 (2020年7月29日 6時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - 矩華さん» 一気読みありがとうございます。番外編は考えていなかったんですが、コメントいただいて面白そうだと思ったのでいつか書きます！その時はまた読んでいただけると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2020年7月29日 6時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すこ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/home
作成日時：2020年4月1日 15時
