Love me do. (ページ15)

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無事撮影が終わり、自宅へ帰ろうと支度をしていると「目黒さん」と後ろから声をかけられふりかえると阿部さんがいた。

「阿部さん、お疲れさんです」

「いえいえ、すごくかっこよかったです」

とさっきより増えた資料をかかえながら言う阿部さんはまた満面笑顔を浮かべていた。

「阿部さん、あの…」

「？はい」

「連絡先交換しません？」

「…えっ？！」

相当びっくりしたのか手を口におさえている阿部さんがなんとも可愛らしかった。

ちょうど来ていたパーカーが萌え袖になっているのもまた。

「だめですかね」

「いやっ、俺は全然…大丈夫なんですけど…」

「じゃあ決まりですね、俺のこれです」

「あ、はい…」

渋々と交換をオッケーしてくれた阿部さん。俺が身内以外の人と繋がるなんて滅多になかった。

阿部さんなら大丈夫、そう判断できたから。

その後俺たちはご飯に行くことも度々あり、事務所にバレたらめんどくさそうだから人目を気にしながら一緒にいる機会が多くなった。

阿部くんと呼べるまでになった。

阿部くんが俺より4歳年上なこと。

身長が意外とあるってこと。

色々なことを共有し合った。

阿部くんは思ったよりツッコミが鋭いし、毒舌なことも分かった。

「阿部くん」

「ん？どうしたの」

「俺、モデル辞めようと思ってるんです」

初めて打ち明けるのはこの人がいい。

この人なら全部受け止めてくれそうだった。

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馴れ初めエピまだまだ続きます。