hell in love (ページ6)

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翔太からもらったチラシの店、確かこの辺だよな。大通りを曲がった…

「あ、ここか」

ベージュで囲まれるなんともおしゃれな…確かに男ふたりでは入りずらそう。

「蓮、このお店でケーキ買おっか」

「ケーキ！やったぁ～」

はしゃぐ蓮を降ろし、手を繋ぎながら店へ入る。
うわっ、めちゃめちゃいい匂い。足を一歩入れただけで甘い匂いが鼻を通る。

「ケーキいっぱいだよぱぱ！」

「そうだな、好きなの選んでいいよ」

うん！とガラス越しに置かれるケーキに蓮は虜だ。
俺何にしよう…。

悩んでいるとエプロンを着た背の高い男の人が立っていた。

「いらっしゃいませ」

え、この人店員さん？
いやいや申し訳ないけど似合わなすぎでしょ。服の上からでも分かる仕上がった筋肉。

「ぱぱ、ぼくこれにする」

「えっ、ああうん、苺ね」

蓮はもう決めたらしい。まって俺まだ決めてない。

「お客様甘いの好きですか？」

「え？」

完全に俺の目を見て言ってるし答えたほうがいいよなこれ。

「いやっ、そんな得意じゃないです…」

「ならこのチョコレートおすすめですよ」

と笑顔を浮かべながら言う店員さん。
何なんだこの人…この体格とは想像もつかないほど笑顔が可愛い。

「…じゃあそれと苺のやつで、」

「かしこまりました、少々お待ちください」

買ったケーキを綺麗な箱に入れ、どうぞと渡す店員さん。
店をあとにし、もう一度店員さんをちらっと見るとまたあの可愛い笑顔を浮かべていた。