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仕事も終わり帰る時間
「一緒に行こー」
かなりハイテンションなおじさん
「はい」
2人で俺の家の前に向かう
電車にのって、最寄りで降りて、歩いて
「ここです」
ごく普通なアパートの前に来た
「おーここかぁー！
にのちゃんのお部屋どこ？」
「どこだっていいじゃないですか」
もうこれ以上は探られたくなくて
少し強気で返す
でも、そんな俺に構うことなく
「まぁいっかー」
簡単に諦めた
少し驚いたけど安心した
おじさんはアパートの前の低い塀に腰掛けて
俺に向かって手招きする
そして、隣の塀をポンポン叩いて
「隣に座って？」
今時、外の塀に並んで座るって
小学生かよって思ったけど、この結末を招いたのが俺だから仕方なく座った
しばらくお互い何も喋らなくて
時間だけが過ぎていく
9時に仕事終わったから今10時過ぎかな
寝るの遅くなるな
もう家に帰っちゃおうかな
そんなことばかりが頭をよぎる
しばらくしておじさんが、
「一人暮らし？」
「まぁ、はい」
やっと話したのがそれ
30分前ぐらいに聞いても良くなかったか？
そう思わずにはいられなかった
帰っちゃおうかなー
もう、これ以上いても何も意味がないような
気がして俺は立ちあがろうとした
「あの…もうそろ…「親は？」」
あーこの人はずっとそれを聞きたかったのね
やっと分かった
「いませんけど」
「あ、そうなの」
やっと聞けた割にはあんまり納得のいってなさそうな顔
このおじさんは何を俺に聞きたいんだか
よく分からない会話に少しイライラしてて
思い切って聞いてみた
「俺の何をしりたいんですか？」
そしたら、おじさんは、いつもの笑顔で
･
「全部」
と言った
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作者名：らん | 作成日時：2014年12月27日 22時
