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「お待たせしました」
「にのちゃん遅いよー」
「すみません」
欠片も思ってないことを言う
だって、ゆっくり歩いて来たからね
「にのちゃん何食べる？」
「いつもので」
「またハンバーグ？飽きないの？」
「別に平気です」
こんなにも冷たくあしらってるけど
この人は俺から離れていかない
本当に変な人だ
「はい」
俺の前にハンバーグが置かれる
「ありがとうございます」
「にのちゃん。あのね…」
おじさんはいろんな話をする
俺の反応は、うん、とか、そう、とか
なんだけど
そんなの気にする様子もなくずっと話してる
にこにこというか、ふにゃふにゃ笑いながら
食事も無くなって戻ろうかってなった時に
「にのちゃん？
今日、仕事終わったら家にお邪魔させて？
にのちゃんの家行ったことないからさ！」
と言い出した
俺は、この質問がきたら決まってこう返す
「嫌です。」
いつも適当に相槌をうっている俺だけど
これだけはダメなんだ
俺の唯一の本当の自分でいられる場所に
他の人が入ってくるなんて考えられない
そういう考えだから
そしてだいたいの人は゛ノリの悪い人゛
っていう目で俺をみるんだ
「そっかぁー」
やっぱそうなるでしょ？
「じゃあ、にのちゃんの家の前に行こう！」
え？
ん？
家ダメって言ったよね？
あ、家の前なら大丈夫でしょ？っていう考え
このおじさん
「家の前ならいいでしょ？」
もう1押ししてくるか！？
いや驚きましたよ。
初めてですよ。
普通の人は
じゃあ、いいやってなるとこなんですけど
このおじさんには通用しなかったか
「はぁーいいですよ」
仕方なく承諾した
「やったぁ！うふふにのちゃんちー」
超喜んでんじゃん
もう呆れるを通り越したね
無理やり家に入ろうとしなきゃいいけど
そう思いながらデスクへ戻った
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作者名：らん | 作成日時：2014年12月27日 22時
