Aぇアイドルと王子様③ (ページ5)

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知らない君ページ5

藤原side

なんで、アイツが……

遊び半分で、Aぇ！groupの楽屋に行った。
そしたら、何かの雑誌を見ていた。

俺は別に興味もなにもなかったけど、
末澤に見てみろって言われたから、見てみた。

Trick StarS…
どうやら、リアル王子様と呼ばれ、主にネットで活動していて、顔も出してはいなかったらしい。
ライブやイベントで、顔を出してるらしいけどな…
野球しか興味なかった俺には、ようわからへんかった。

今回雑誌で顔を出す事になったらしい。
その雑誌の最初のページは、王子様の可愛らしいイラストやった。

次のページからは、１人ずつ顔を出した写真やった。王子様という言葉通りの顔をしていて、とてもキラキラしとった。

俺は、ふーん、くらいの気持ちで雑誌を見ていた。
でも、最後のページをめくったら、目を疑った。

例え、男装して王子様の格好をしていても、俺にはすぐにわかった。

やってそれは……Aやったから。

もう何年も会うてないけど、Aの事を一度やって忘れた事なんかない。

こんな形で、アイツの顔を見るなんか思わへんやった。
やって、Aは…
俺の前から…突然、姿を消したんやから…

何年経ったとしても、あの時の出来事も忘れとるわけやない…
忘れるわけないやろ…あんな事…。

しかも、なんでや…A…

なんで、凪音って名乗ってるんや？

やって、凪音は……凪音は………
…アイツの名前やろ……？

Aの中では、凪音の事をまだ拭いきれてないんか？
俺に出来る事は、なんもないんか…
あの時から…ずっと…
俺は、ずっと…Aの事を助けたいのに…

そんな俺は、もどかしくて仕方があらへんやった…。