Aぇアイドルと王子様③ (ページ39)

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助ける決意と忠告ページ39

末澤side

思わず、Aの事助けるとか言うたけど、正直どうしたらええんか、全然わからへん…。
でも、助ける宣言した以上、もう引き返せない。
引き返すつもりもないけどな。

岳「誠也、ありがとな。」

末「え？…あ…いや…」

思い返してみれば、さらに自分が言った発言に恥ずかしくなってきた…。
なんで、あんな事言うたんやろ…？

岳「誠也、カッコええやん。あんなに小さかったのに大人になっちゃって…。
お兄さん涙出てきちゃうよ。笑」

末「やから、一個しか年変わらへんし、身長も同じぐらいや！！涙出てへんし、口笑うとるやないか！！！」

揶揄うのも、ええ加減にしてや！！！

岳「まぁ、これは勝手な俺からのお願いやけど、Aの事、頼むで。
アイツ結構、ああ見えて危なっかしいからな。」

まぁ、危なっかしい感じは見ててわかるわ。

岳「この前も、暗殺されそうな人と事故チューしたとか言うてたし…
変な人と関わってないとええけど…」

末「は？暗殺？？ジコチュー？？」

なんの話？？

岳「え？誠也やないの？事故チューしたの。」

末「全然話わからへんのやけど、そもそもジコチューってなんよ？？」

岳「事故でキスしたんやって。ファーストキスやったらしいけど、本人その自覚ないみたいよ。犬とか言うてたし、てっきり狂犬言われとる誠也の事かなとかも思ったんやけど…違った？」

末「ちゃうよ！！！」

岳「あー、でも大型犬って言うてたから、誠也ちゃうな。」

大型犬…？？
大型犬といえば、佐野…
大型犬＝佐野

いやいや、ないない。

でも、ファーストキスを誰かに渡した訳か…
どうでも良いと思えば良いのに、思われへんのはなんでや…

岳「ま、期待しとるわ。６人の騎士の内の１人が王子様になってくれる事。」

末「は？なんて？」

岳兄が小さな声で言ったから、その言葉は俺の耳には届かなかった。

岳「なーんでもないで。気にすんな。」

いや、気になるよ。

岳「そうや、これは一応忠告な…

理人には気をつけろ。」

そう言った、岳兄の顔は今まで以上に真剣やった。

末「…理人くん？なんでよ？？」

岳「…いずれわかるわ。理人の異常な程の執着心が。俺が今言えるのはこれくらいやな。」

そうこう話をしていると、ええ時間になってしまい、お互い帰る事になった。

俺は家に帰りながら、

なんで理人くんの事が出てきたのか？

何故、理人くんが、気を付けなければならない存在なのか…

いくら考えたって答えは出なかった。