Aぇアイドルと王子様③ (ページ15)

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セミダブルのベッドとプラネタリウムページ15

佐野side

俺とAが、一緒に寝る？
同じベッドで？？
自分が言うてる事、わかってんの！？

『ウチのベッド、セミダブルやし。晶哉、細いから寝れないこともないよ。それなら良いやろ？
生憎、誰もウチに泊まった事ないから、来客用の布団とかもないし。』

どおしよ、これ…
女の子と2人で１つのベッドで寝る…？
ええのか、これは？
いや、別になんもせぇへんけどさぁ…。

『…それがダメなら、私、床で寝るわ。おやすみなさい。』

佐「寝ます、寝ます！！一緒にベッドで寝ますから、お願いやから床で寝らんといて！！！」

Aに根負けして、2人で一緒のベッドで寝る事になった…。

2人で寝室に入ると、Aはプラネタリウムのプロジェクターの電源を入れた。

部屋の中の天井には、綺麗な星が広がっていた。

そして、Aはサイドテーブルの引き出しから、薬を出して飲んだ。

佐「なに？薬？体調悪いん？」

『…花粉症対策みたいなもん』

そう言われたから、俺は特に気にもしなかった。
そして、2人でベッドの中に入った。

セミダブルのベッドは、意外に２人やと狭くて、割と密着感があった。

佐「綺麗やな、プラネタリウム。癒されるわ。」

『…そうやな』

佐「そういえば、ちゃんと名前呼べるようになったやん」

『練習したからな。たい焼きで』

佐「は？たい焼き？？」

『この前、たい焼き６つ並べて、顔思い浮かべながら練習した』

……俺ら、たい焼きにされたん？

佐「まぁ、良かったわ。ちゃんと名前呼んでくれるようになってくれて…」

『……』

佐「……A？」

返事がないと思って、顔を近づけたら、スースーと寝息をたてて、Aは眠っていた。
なんや、もう寝たんか…

俺は、キスもして、セミダブルとはいえ、こんなに近い距離に居て、ドキドキしとんのに…
よう、Aは寝れんで。

ふと、さっきAが飲んでいた薬の空が目に入った。
これは、本当に花粉症の薬かと疑問に思って、スマホで調べてみた。
検索した結果は…

睡眠薬と安定剤やった…

不眠症かなんかか？それとも、もっと他にAの中には大きな問題があるんか？
わからへんけど、助けられる事があるなら助けたい。

俺は、寝ているAの顔を見つめた。
普段、王子様やっとるけど、こうしてみると普通の女の子やな。

俺は卑怯やと思ったけど、寝ているAに、そっと自分の唇を重ねた。

さっきのがキスじゃないなら、これなら本当のキスやろ。