Aぇアイドルと王子様③ (ページ13)

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写真の中の秘密と本当のキスページ13

佐野side

それにしても、あんまなんもない部屋やな…
質素というか、なんというか…

そう思っていたら、あるところに飾られていた写真に目が入った。
気になって、ちょっと見てみたら１人の女の子と2人の男の子が写ってた。
この女の子は、Aかな？
見た感じ、中学生くらいの時かな？
制服着とるし…

それを見ていたら、Aがシャワーを浴びて出て来た。

『お待たせって……なにを見てんの？』

佐「え…？あぁ、なんか写真飾ってあったから目に入ってしまって、見てしもうたんよ。これAやろ？中学生くらい？可愛ええやん…」

『返して！！』

Aは怒って、俺が持っていた写真を無理矢理奪い取った。

佐「え…あの…ごめん。」

『あ…、こっちこそごめん。処分すんの忘れてただけだから。気にせんで。』

処分…？写真処分すんの…？
それは、忘れてただけやなくて、処分出来ひんだけやないの…？
それに、その写真に写ってる１人の男の子って…見た事ある顔や。
どう見ても、丈くんやった…。
なんで丈くんが、一緒にAと写真に写ってるん？
でも…もう１人の男の子は誰…？

そんな事は聞かれへんくて、ただ俺達の間には、気まずい雰囲気になってしまった。

(にゃーん)

そんな気まずい中、さっきの黒い子猫が俺に擦り寄って来た。
ネコは気楽でええよな…
俺はこの空気を変えようと、話題を変えた。

佐「ネコ飼ってるんやな」

『あぁ、こっち引っ越して、捨てられてたから、拾って飼ってる』

佐「かわええな。名前は？」

『クロ』

佐「……まさか黒いから？そんままやん笑」

『なにか文句でも？』

そう言って、2人で笑い合った。
気まずい空気がなくなって、良かった。

『そうだ、ココアでも飲む？』

佐「あ、うん。じゃあ、頂こうかな。」

そう言って、Aは脚立に乗って上の棚からココアを取ろうとした。
そしたら、バランスを崩して、落ちそうになった。

『うぁ！！』

佐「A！！」

俺はAを助けようと、駆け寄った。
そしたら、Aは俺の上に落ちた。

それだけなら、良かった…

何かが、唇に触れた感じがした。
さっきのネコのキスとは違う感覚…

やって、俺の唇には…Aの唇が重なっていて…
はたから見れば…
俺とAがキスしている状態やった…