赤色のいちご�� ページ31
末澤side
こうしてみると、コイツも女やねんなぁ…。
今まで、男やと思っとった訳やし。
なんや、変な感じ。人の先入観なんか、怖いもんやでホンマ。
とか考えながら、夜景を見ていたら突然「あ！」とAさんが声を出して、持っていた袋から何かを取り出した。
『いちご食べます？』
末「…なんで、いちご持ってんの？」
『「買って」って言われたから、買ったんです。』
末「誰に？」
『いちごに。』
末「……お前、いちごと喋れる能力でもあんの？」
『そんなん、ある訳ないじゃないですか。末澤さんって意外と頭の中ファンシーですね。』
いや、お前や！！頭ん中ファンシーなんわ！！！
『あら？いちごお嫌いですか？』
末「…いや、好きやけど…」
『だったら、一緒に食べましょうよ。』
ホンマに変な女。
そう思いながら、Aさんとベンチに座って、いちごを食べた。
末「…うまいな…」
『そうですね。』
……俺、なんでコイツとこんな所でいちご食うてんのやろ……
いい加減、意味わからんくなってきたわ。
『……末澤さんって、いちごみたいですね。』
末「はぁ？」
ホンマにコイツは意味わからん事しか、言わへんの？
『メンカラ、赤じゃないですか？』
末「…まぁ、そうやけど…」
そんな単純な理由？？
『いちごって、バラ科なんですって。』
なんか、ウンチク語り出したけど…
『バラって、トゲトゲしてるじゃないですか？』
末「俺がトゲトゲしとるとでも、言いたんか？」
失礼な事しか考えてへんのか！？
『別にそれだけじゃないですけど、いちごってなんか存在感あるくないですか？ケーキとかに乗ってても、キラキラした宝石みたいに。絶対目に入る。この夜景でも、赤色の光はすぐにわかるでしょ？』
……まぁ、夜景の中の赤色は、確かによう見えるわ…
でも、それといちごと俺と何の関係があんねん。
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作者名：凪季 | 作成日時：2023年2月17日 11時
