Aぇアイドルと王子様② (ページ1)

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オレンジの太陽③ ページ1

福本side

嘘や…この前、会ったのに…
あんなに推しアピールしたのに…
俺、覚えられてなかったん…泣きそう…

そんな俺を見て、凪音くんは何かを察したのか、少し焦り出して、

『いや、あの…覚えてる、覚えてる！えーっと、えーと…』

え！？もしや、思い出し……

『ワイパーくん！！』

………
あ、終わった………

福「それ、名前やと思ってます？？」

『この前、君らのYouTubeとか見たんやけど、君、ワイパーって言ってなかった？』

……それ、ただの俺のギャグなんやけど…
ワイパーって名前の人って居ると思う？？

と、だいぶショックを受けたので、1人沈んだ気持ちになった。
まぁ、ファンの名前なんかいちいち覚えんよな…一回会うただけで覚えんよな…
とか考えて、下を向いていたら…

『…嘘。覚えてるよ。福本くんでしょ？笑』

福「え…？」

顔を上げて、凪音くんを見ると、イジワルにニヤニヤして俺を見ていた。

『…あれ？違いました？？』

福「いや…合ってますよ」

俺の返事がなかったから、間違えたと思ったらしい。

『あんだけ、推しアピールされたら、イヤでも覚えてますよ。』

からかわれたみたいやけど、本当は覚えててくれてたみたいで、メッチャ嬉しかった。顔には出さへんけど、今テンション爆上がりやで！！

『てか、一つ言って良いですか？？』

福「なんですか？」

『今は、凪音じゃないんですけど？』

福「あ…」

やっぱり、プライベートモードやったんや…

『プライベートは本名でって言ったはずですが？それとも、忘れました？』

忘れてないよ…忘れるわけない…
推しの本当の名前…
恥ずかしくて、なかなか言えないだけで。
だっていつも、活動名で呼んでるんやもん。言い慣れなくても当然やない？

福「…別に忘れてる訳ちゃいますよ…」

『なら、早く言ってみて下さいな、ほら』

…なんか、急かされてるんやけど…
いや、俺も男や！！言える！！言ったれ！！

福「……Aさん」

気合い入れて言ったけど、小声になってしまった…やっぱ恥ずい……