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私の声はまだ戻らない。
何度も声を出そうにも、他の人に聞こえることは無かった。
お医者さんからは、まだ時間が掛かると言われてしまった。
gr｢Aさん｣
『“グルッペンさん”』
あの事件後、彼は毎日お見舞いに来てくれる。
竹谷さんや、家族が諦めると思わなかったけど、あれから連絡が無い。
これで良かったのかな？ そんなことを気にしていると、あることに気が付く。
病室に入ってくる彼の表情は、いつもより固い気がする。
いつも笑顔の彼と、今日は何だか違う。
gr｢Aさん、少し話がある...｣
真剣な顔を見せたまま、ベットに腰掛けた。
何だろうと、彼が話始めるのを静かに待った。
gr｢これからの事なんだか、俺達は仕事の関係で、海外へ行く。Aさんは、このまま治療を続けて欲しい｣
『“いつ、こちらに戻ってくるのですか？”』
gr｢それは...分からない。すぐかもしれない、何年か先になるかもしれない｣
仕事の内容も聴いたが、答えてくれなかった。
私を置いて、彼が遠くに行ってしまう。
そんなの耐えられない...。
『“私も一緒に付いていきます！”』
gr｢駄目だ、危険な仕事だから連れていけない｣
『“そんな...”』
gr｢すまない...｣
彼がそう伝えると、部屋を出ていこうとする。
あの時と同じように、また彼の背中が遠ざかっていく。
このままでは、離ればなれになってしまう。
そんなの...嫌だ！
もう独りになりたくない。
自分の思いを伝えたい、伝えたいんだ！
『グル...ッペ...ンさ...ん』
聞こえているか分からない。
小さかったが、今まで出すことが出来なかった声が、喉から口へ出ていった。
私の声が聞こえたのか、彼の歩みが止まった。
驚いた顔を見せ、こちらに振り向く。
gr｢今...俺の名前を...呼んだのか？｣
『グル...ッペン...さん』
gr｢声が出るようになったのか！｣
医者を呼んでくると、廊下へ出る彼の腕を掴んで止める。
私は、彼の顔を見ながら思いを伝える。
文字ではなく、今度は自分の声で彼に聴こえるように。
『私の...お願いを...聴いて...くれますか？』
gr｢Aさん...｣
『貴方と...ずっと一緒にいたい...！ どんなに危険な所でも...私は付いていきます。だからもう...独りにしないで！』
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めぐぱんだ(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます。大分お待たせしてすみませんでした(汗。これからも楽しんで貰えたら嬉しいです！ (2022年3月23日 7時) (
レス) id: 85f55d852b (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 続きが読めて幸せです！ありがとうございます！ (2022年3月22日 1時) (レス) @page49 id: 406b79fb24 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぱんだ(プロフ) - 黄緑さん» ありがとうございます！ 更新は遅いですが、楽しんで頂けたらとても嬉しいです。 これからもよろしくお願いいたします。 (2021年2月18日 12時) (レス) id: 85f55d852b (このIDを非表示/違反報告)
黄緑 - 非ログ勢ですが、続きが出たら必ず見に来ます。とても面白いです。 (2021年2月16日 17時) (レス) id: 319e1747b2 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぱんだ(プロフ) - 涙月歌さん» すみません(汗。()が確かに付いてませんでしたね... 修正しましたので、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年11月30日 1時) (レス) id: 85f55d852b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐぱんだ | 作成日時：2020年1月11日 21時
