彼氏様×彼女様 *短編集【名前変換オリジナル】

雨の日2 ページ6

「へっくちゅん！」


『うおっ大丈夫？』




学校から比較的近い距離にある俺の家に帰ってくる間に

俺たちは全身びしょびしょだった




「うー、お邪魔します」


『どーぞ』




もう何度も俺の家に上がっているのに

律儀に必ず挨拶をする、A



そういうとこ、好きなんだよねー

あと、ちまちましてる行動とか、全部




『ほい、タオル』


「あ、ありがと・・・」


『あと着替えも、俺のだけど』


「ありがとっ」




洗面所に誘導して、着替えるように言う

・・・Aが着替えてる間、テレビでも見てよう

なんて思いながら、ぽすっとソファーに座った



＊



しばらくすると、洗面所からAが出てきた




「あの、ぶかぶか、なんです、けど」


『っ！』




彼女の姿をみて言葉が出なかった

彼女の着ている俺のVネックのTシャツが大きすぎて、


彼女の小ささがよく分かるし、可愛い、むしろ愛おしいです



手で手招きをして、近づいてきた彼女の手をぐっと引く

そのままぎゅぅっと抱きしめる




「え！？なに、どうしたのっ？」


『いやぁ・・・可愛すぎて』


「お世辞入りません」


『ほんと、真面目に！・・・ありがとうございます』


「何がっ？」


『あー今日の疲れがぶっ飛んだなぁー』




きょとんとしてる彼女

・・・小動物かよ




『ちょいと失礼』




強引に彼女の頭を引き寄せ、

ちゅっとキスをする



頬が赤く染まっていく彼女を見て満足

すると彼女は潤んだ目で俺を見返し、離せとでもいうように俺の胸板を押す


しぶしぶ唇を離し

彼女を見据えて俺は微笑を浮かべる




『・・・雨の日って結構悪くないね』

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