彼氏様×彼女様 *短編集【名前変換オリジナル】

ダイエット　 ページ3

突然なんですけど、


最近、彼女が痩せたような気がする

ちゃんと食ってんのか？




「先輩、この曲好きです！」




俺が心配してるのにも気づかず

ニコニコと笑ってる、A


――まぁ、可愛いんだけれども




『あ、それ？途中のベースがかっこいいんだよな』


「はい！あと３連符が・・・」




俺の彼女様は、いつもは自分からあまり話さないのに

音楽関連のことについては、多弁になる




『ね、A？』


「はい？」


『飯、ちゃんと食ってんのか？』


「・・・・・・た、食べてます」




数秒あいてからの、返事

絶対食ってねーな




『はいはい、食べてないんだろ？』


「・・・ごめんなさい」


『ダイエットでもしてんのか？』


「して、ます、ね」




そう言った彼女を改めて見る

全然贅肉もついてないし、ぶっちゃけ筋肉もついてない

今のままでも、細すぎるくらい




『ダメ、ダイエット止めろ』


「なんでですかっ？」


『・・・心配するから』




俺が真面目な顔をすると、

しょぼんとした声で、はいと言った




『・・・ちょっと待ってろ』




Aの頭をぐしゃぐしゃっと撫でて、

キッチンに向かう


俺、料理は意外とできるんで



*




『うっし、できた！』




作ったのは、豆腐ハンバーグ

時間もあまりかからないし、なにより簡単


皿に盛り付けて

彼女の元へ




『おら、口開けろ』




箸で一口サイズに切って、

Aの口の前までもっていく




「ひとりで、食べれますよっ」


『ごちゃごちゃ煩い』


「むー・・・」




それでもそっぽを向く彼女様

・・・仕方ない、最終兵器だ




『あ？俺の料理が食べられないって？』


「ち、違いますっ」




Aは焦って、涙目になりながら言う


俺は、箸で掴んだ一口サイズのハンバーグを

自らの口に含んだ




「あ、食べちゃった・・・っ」




絶望的な顔をしたAの頬を掴み、

無理やり口移しする




「んっ、・・・ふぁ」




真っ赤な顔をしたAは

小さな両手で俺の服をぎゅっと握る


そんな彼女様を見ながら俺は言った




『もっと、俺に食べさせてほしいか？』

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