彼氏様×彼女様 *短編集【名前変換オリジナル】

王様と会計 ページ17

絶対零度

氷点下


人は彼をそう呼ぶ





でも、私はそうは思わない


彼は冷たいし、クールだけど

決してそれだけじゃない





彼は絶対的王様、

生徒会長の新垣 秋



私はそんな王様の下につく

生徒会、会計です





『A、ここ計算間違ってる』


「え、あ、ごめんなさい」


『・・・ん』





会長に渡された、束になった会計の紙を見て

どっと疲れがつのる



一週間かけて

頑張ったのに・・・っ



なんだか理不尽に感じて

涙がじわっとくる





『・・・どうした？』





会長が心配そうに尋ねる

プリントから、椅子に座る会長に目を向けると





『大丈夫、か？』


「っ、大丈夫、です」





会長の瞳には

いつもの冷たさや冷静さは無く

優しく綺麗な瞳で私を見つめていた





『嘘付け、どうした？』


「いえ、ほんと、何にも」


『・・・お前、何泣いてんだ』


「な、泣いてません」


『嘘付け、拭け、汚ねぇ』





き、汚いって・・・！

酷い、会長が酷い(冷たい)のは知ってますけどっ





『おい』


「・・・何ですか」





恨みがましく、睨みながら

会長を見ると



会長の綺麗な手から

差し出されていたのはティッシュペーパーで





「・・・ありがとう、ございます」


『ん』





私が素直に礼を言えば

端正な顔で微笑む

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