恋から愛に変わるまで２

５１． ページ15

ガチャ。

玄関の鍵を合鍵で開けると、そっと中へ入る私。

いつも思うけどこの瞬間。
誰かに見られてないかなってドキドキしてしまう。

そんな鼓動を鎮める為に、深く息を吸うと私はリビングへと向かった。

A「あっ、着いたって連絡しなきゃ・・。」

そう言って携帯と手に持つと、不意に玄関のドアが開く音がした。

増「Aちゃん！」

玄関からバタバタとそう言いながら、貴久君が私の元へと駆けてくる。

A「今、連絡しようと・・。」
増「会いたかったー。」

貴久君はそう言うと、そのまま私をギュッと抱きしめた。

温かいな。
嬉しいな。

全身に貴久君の温もりを感じるよ。

増「ねぇ、Aちゃん。」
A「ん？」

増「キス・・してもいい？」

思わずそんな言葉に私は笑ってしまう。

増「何で笑うの？」
A「だって・・いちいち確認しなくても・・。」

私がそういうと、貴久君が少しムッとした顔で私の顎をクイッと持ち上げた。

増「あっそ。じゃあ、好きな様に好きなだけするから。」

貴久君はそう言うと、噛みつくようにキスを落とす。

こんな甘い時間さえばあればいい。
そう思うのに。
それだけでは抑えられない感情もある。

私は一体、何に怯えてるんだろう・・。

酔いしれそうな甘いキスの中、私はそんな事を思っていた。

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