＃１４「瓦解」 ページ10
日下部が何処からとも無く手に入れた不確かな情報。
禪院甚爾が、現在は呪術師殺しの依頼で千葉県に滞在という情報だった。
その不確かな情報だけを頼りに、自身の感覚を研ぎ澄ませては存在しない呪力を探り出す。
人々が行き交うこの街中で、立ち止まっては集中を"感覚"に全振りする。
『………やっぱりだめだよね。』
幸先不安、お先真っ暗。
そう困ったように眉を顰めては、苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
自分の術式を理解した上で、自分の力なさを実感するこの屈辱。直ぐに、不快になるのは悪い癖だ。
そう改めて思う刹那。
『_____』
横を通り過ぎることすら、今の今まで気づけなかった。
咄嗟に振り返ると、黒髪の屈強な男が欠伸をしてはだらだらと歩いている。
ああ、写真の通りだ。
『____見つけた。』
彼女は、あの男の後を追いかけて今に至る。
箸を進める手を止めて、男は彼女に視線だけを向ける。
まるで、全身を舐めるようにそんな眼差しで見定められる。
甚「……悪いな、生憎人違いだ。他を当たりな。」
『…ぁ、そう…ですか。わかりました、失礼しました。』
期待をした表情から一変、酷く悲しげな表情を浮かべては彼女は視線を合わせないように食堂から出ようとする。
その様子に、彼はニヤリと口角をあげる。
彼女を呼び止めるように手首を掴む。
甚「まぁ待ちな、お嬢さん。」
手から伝わってくる、強者たるオーラ。
彼女は振り返らずに冷や汗をかいては、それをはらうように甚爾に顔ごと視線を向ける。
甚「教えてやろうか？そいつのこと。」
『本当ですか!?』
甚「ああ。ただし、条件がある。」
そうして、彼について行った先にはまるでお城のような建物だった。彼女は、物珍しそうにその建物を観察する。
『お住いですか？』
甚「………」
甚爾は、受付と話を済ませてカギを持ってくる。戻ってきた彼にひと言言えば彼は目を見開いて固まった。
そして、直後に大笑いする。
『は？』
甚「はははっ、生娘かよ。こりゃぁいい!!ほら、ついてこいよ。愉しませてやる。」
『ねぇ、痛いんだけど。』
甚「安心しろ、こんなん可愛いもんだ。」
『……はぁ？』
意味不明に大笑いされた事に苛立ちを覚えつつ、仕方なく彼に引かれる手を不快に思いながら大きな背中を見つめては大人しく従う。
彼女の目的は、彼の【天与呪縛】に触れること。
触れられている今、呪力に干渉してみようと試みるもやはり無意味だ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕憑紅(プロフ) - 曲、私的には、なきそ様の［ ド屑 ］ だと思います。考察読んでそれっぽいなとも思いました。面白かったです。 (5月5日 21時) (
レス) @page35 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 応援し続けてくださりありがとうございます！イメソン、めっっちゃくちゃやばかったです…。え、最高すぎましたまさにイメソンすぎて…本当にありがとうございます。引き続き頑張ります！ (1月12日 3時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - 続編おめでとうございます！あと、私的にイメソンはPretenderだったので悟のイメソンが可愛いすぎて笑いました！笑これからも楽しみにしてます！ (1月11日 2時) (レス) @page7 id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - きょさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えるだけで頑張れます…！思考が似通っていたら嬉しいです、その妄想も機会があればぜひ聞きたいです！笑 (1月11日 1時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
きょ - うおー！！続きが気になる！これからどうなるか妄想しながら待っます！ (1月10日 2時) (レス) @page5 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エゴ信者。 | 作成日時：2024年1月10日 0時
