＃１６ - ３ ページ21
甚「いいか、人間には"人体の急所"と呼ばれるもんがいくつか存在する。」
初めて出会った、あの食堂で空腹になった胃を満足させるように食事をとっている。
護身術や対人戦に役立つことを師範らしく教えていた甚爾であった。
(なんだ、案外"師範"楽しそうにやってんじゃん。)
廃れてしまった人生と暴落してしまった幸福。
そんな彼が持つ【苦しさ】を、彼女は何も知らない。
ただ、目の前にいる"異例の男"としての認識しかない。
甚「……で、女であるお前は狙うならアキレス腱が一番手っ取り早いかもな。逃げれなくなればこっちのもんだ。」
『アキレス腱は切れたらやばいって聞いたことある。』
甚「何をされたらやばいのか、それを把握していることによって攻撃のレパートリーが増えたり逆に自分を護ることにも使える。だから、人体の急所は頭いれとけよ。」
呪術師殺しと呼ばれる男だけあって、純粋に殺し屋としても実力が相当なのだろう。彼女に教えるのは、基本のみ。複雑なことや難しいことなど一切教えてはいない。
それなのに、格段に強くなれる。
そんな気しかしないなんて、とても不思議で変な気分だった。
『はーい。』
呑気そうな返事を返しては、熱々の拉麺を啜った。体に染み渡るその味と温かさに彼女の頬は緩む。
そんな彼女を見ては、呆れて微笑む甚爾。
見つめている視線に気づいたようだ、眉を寄せては不審がる。
『……なに？』
甚「…いーや、すげぇ腹減ってたんだなと。」
『当たり前ですー。誰のおかげでこんなにご飯が美味しいと思ってるんですかー。』
甚「はは、そりゃどーも。」
『感謝してるけどしてませーん。』
そう言って、悪態つく姿すらとても愛おしくて。彼の心の隅に引っかかっている【気がかり】が脳裏に過ぎる。
彼は、元気にしているのだろうか。
捨てるしかなかった、忘れるしか無かった。
そうしなければ、危険に晒されてしまうから。
愛する彼女が残した、"ふたりだけの宝物"だから_______。
『じくん……甚爾くん!!』
甚「……どうした？」
『どうしたじゃない、次これ頼んでいーって聞いてたんだけど？』
甚「…まだ食うのか？」
机に並んでいる空になった皿を改めて眺める。拉麺から炒飯、焼きうどんやお好み焼きなどさまざまな品をたいらげていたのだ。それでも尚、彼女は止まらない。
『次はスンドゥブチゲうどんにするー!!すみませーん!!』
伝説のアイドル。そんな彼女の胃の中を知った。
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夕憑紅(プロフ) - 曲、私的には、なきそ様の［ ド屑 ］ だと思います。考察読んでそれっぽいなとも思いました。面白かったです。 (5月5日 21時) (
レス) @page35 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 応援し続けてくださりありがとうございます！イメソン、めっっちゃくちゃやばかったです…。え、最高すぎましたまさにイメソンすぎて…本当にありがとうございます。引き続き頑張ります！ (1月12日 3時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - 続編おめでとうございます！あと、私的にイメソンはPretenderだったので悟のイメソンが可愛いすぎて笑いました！笑これからも楽しみにしてます！ (1月11日 2時) (レス) @page7 id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - きょさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えるだけで頑張れます…！思考が似通っていたら嬉しいです、その妄想も機会があればぜひ聞きたいです！笑 (1月11日 1時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
きょ - うおー！！続きが気になる！これからどうなるか妄想しながら待っます！ (1月10日 2時) (レス) @page5 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エゴ信者。 | 作成日時：2024年1月10日 0時
