＃１２「逃げ道」 ページ2
『…………あっくん、馬鹿なの？』
まさかの言葉に、彼女は目を丸くする。
体の痛みさえ忘れてしまう程の衝撃。
呪術師である日下部から、そんな発言が出るなんて。
例えるなら警察が犯罪者予備軍に「殺人鬼にでもなれば？」とあっけらかんに提案しているようなもの。
日「………馬鹿とは失礼だな、この」
『だって、誰が言ってるか理解してる？』
日「ああ、わかってる。」
『だったらそこは、阿呆みたいな正義感をふりかざしてさ言うべきなんだよ____』
【お前がすべて、間違っていたんだ。】
そう、言うべきなのに。
なのに、どうして。この男は平然と悪に促すのか？
日「A、これは"俺"からの言葉だ。」
日下部は、赤になった信号に捕まってはブレーキを踏む。今、ぽつりぽつりと窓ガラスに水滴が当たっては弾けていった。
日「お前が人間を恨んだまま呪術師になって何のメリットがあるんだ？考えてみろ、高専で呪術を学んだ若さと才能と伸び代ある呪詛師が誕生すりゃまたメンドー……恐ろしいことになりかねない。」
嗚呼、これは彼自身の言葉だ。
彼はひどく面倒を嫌い、より楽できる選択を見つけ出す。
だから、彼は彼のためにAに言葉を贈る。
日「そんなら、てめぇ自身で確かめてみりゃぁいい。何が自分にとって善であり悪であるか。
土台を決めてから未来を考えるのも、悪くない"逃げ道"だと思わないか？」
嗚呼、彼は彼女を否定しない。
彼が彼の為に発する言葉は、彼女を優しさで包み込んだ。
車内が沈黙を生む。
日(………って、格好つけて言ってみたものの、本音はレベル1状態が俺らにとっちゃレベル80位のAを育成してからラスボスに帰すっつー最悪の事態を避けたいだけなんだがな。)
焦りを浮かべては、黙り込む彼女をミラー越しに見てみると____日下部は目を見開いては後ろを勢いよく振り返る。
日「なんで泣いてるんですか!?……まさか、引き止めて欲しかったのか!?」
『違う!!すごく、すごく……嬉しかったの……!!』
まるで、幼子のように泣きじゃくるA。
初めて、本当の彼女に触れた。
それは、最強で無敵のアイドルでも何でもなくて
ただの、ひとりの女子高校生だった。
日「そうかい。」
『ありがとう、あっくん…』
日「ただし!!
俺が手伝えるのはお前のことを見逃すことと少しの助言だけだ!!それ以外は俺は何も知らないしわからない!!ただ、愛空Aを逃がしてしまった罰だけを受けるだけ!!」
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夕憑紅(プロフ) - 曲、私的には、なきそ様の［ ド屑 ］ だと思います。考察読んでそれっぽいなとも思いました。面白かったです。 (5月5日 21時) (
レス) @page35 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - B.E.E.L.E.さん» 応援し続けてくださりありがとうございます！イメソン、めっっちゃくちゃやばかったです…。え、最高すぎましたまさにイメソンすぎて…本当にありがとうございます。引き続き頑張ります！ (1月12日 3時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
B.E.E.L.E.(プロフ) - 続編おめでとうございます！あと、私的にイメソンはPretenderだったので悟のイメソンが可愛いすぎて笑いました！笑これからも楽しみにしてます！ (1月11日 2時) (レス) @page7 id: cde15767ef (このIDを非表示/違反報告)
エゴ信者。 - きょさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えるだけで頑張れます…！思考が似通っていたら嬉しいです、その妄想も機会があればぜひ聞きたいです！笑 (1月11日 1時) (レス) id: 665876339a (このIDを非表示/違反報告)
きょ - うおー！！続きが気になる！これからどうなるか妄想しながら待っます！ (1月10日 2時) (レス) @page5 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エゴ信者。 | 作成日時：2024年1月10日 0時
