操り人形（マリオネット）【オリオンの刻印】 (ページ7)

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謎の少年ページ7

貴方side
貴「ｯ!」

ボールをよけようとした。私にとって、充分間に合う速さと距離だった。けど、
よける前に誰かが私の前に立った。

貴「氷浦君?」

氷「いった……」

そう、私をかばったのは氷浦君だった。

貴「大丈夫?ごめん、私がボーッとしてて……」

馬鹿な人。私なんかを庇うなんて。あのくらい避けられるよ。そんな言葉を飲み込んで、心配そうな表情を浮かべて言った。

氷「大…丈夫」

私の肩を借りてよろよろと立ち上がった。

不「なにもんだ!」

警戒と怒りを含んだ不動君の声が聞こえた。

??「僕?僕は無敵ヶ原富士丸さ」
　
絶対仮名だ。しかもこの声、どこで聞いたことがあるような……。気のせいかな?

富(無敵ヶ原)「てゆーかさあ、君らイナズマジャパンの人達だよね?試合に出る前に……再起不能にしてやるよ」
　
ニヤリ、と笑った顔に、ほんの少しゾッとした。

吉「はっ、やれるもんならやってみろよ」

シュッとボールが不動君のお腹に勢いよく当たった。

不「ｯ!」

貴「大丈夫?」

不「こんくらい……どうってことねぇ」

ｼｭｯ。ｼｭｯ。サッカーボールがどんどん皆を倒していく。

富「ねーえ、そこのお姉さん、突っ立ってないで参加したら?」

氷「やめろ…花咲……」

貴「氷浦君……」

富「そういうのいいからさ～。お姉さん、多分僕のボールを止めるのなんか、容易に出来るよね?」

無敵ヶ富士丸。最初はただのサッカーが強い人かと思ったけど、違うようね。かなりの観察力がある。これ以上何か言われたらヤバイかも。

灰「言いがかりはよせ。確かに強いが、そこまで出来るとは……」

貴「やる!」

富「じゃ、始めようか」

ボールが飛んでくる。ほどよく出来るように、できすぎないように。目立たないように。自分を偽って。

貴「ｯ!」

ギリギリのところでかわす。
それが私のやり方。

灰「ったく。言ったほどじゃねーじゃねーか」

貴「やってみたら結構早くて……」

アハハ、と苦笑いする。

富「じゃあまたね」

氷「……花咲は無敵ヶ原富士丸のことどう思う?」

貴「え?」

さすがに、″無敵ヶ原富士丸君って絶対仮名だよね″とか言えるわけない。

貴「サッカーが強い人…かな?」

氷「そっか」

心を見透かされたみたいでビックリした。

不「当たったな」

貴「何が?」

不「後にハプニングがあるみたいなやつ」

貴「ああ～!昔からよく言われるんだよね。勘がいいって」

不(俺が言いたいのはそういうことじゃねぇんだけどな)