奇蹟 (ページ33)

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第32話ページ33

照史side

次の日は昼過ぎに淳太くんが大毅と一緒に病院に来た。

「とも、パパとママは濵田先生とちょっとお話してくるから、お兄ちゃんと遊んどってな。大毅ももしともの具合悪なったらすぐナースコールするんやで？」

淳太くんの言葉にちゃんと返事をする2人。

濵田先生から今後の話をしたいと言われ、俺も淳太くんもドキドキしとる。

「そちらにおかけください」

説明室に行くと、濵田先生はすでにおって、俺と淳太くんは並んで椅子に腰掛けた。

「ともくんの術後の経過は良好です。サチュレーションもだいぶ安定してきましたし、心不全の数値も落ち着いてきました。この状態を維持できれば、1.2ヶ月様子を見て、退院出来ると思います」

俺はほっとして淳太くんと顔を見合わせた。

「しかし、喘息の影響もあってか、最近は数値が安定せず、心不全の増悪を繰り返している状態です。手術によって、今までよりは心臓の負担も少なくなりましたがこのいい状態がどれぐらい続くかは分かりません。今の心不全を繰り返す状態が続くと、ともくんは学校に通うのもかなり難しくなるかもしれません」

濵田先生は少し厳しい表情でそういうた。

ほっとしたのもつかの間、そんな厳しい話に何といえば良いのか分からなかった。