奇蹟 (ページ4)

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第3話ページ4

次の日、さらに詳しい検査が行われ、ともは僧帽弁閉鎖不全症、肺うっ血症を伴った拡張型心筋症の最重症だと診断された。

「内科的治療で時間をかけて病気の進行を食い止めていき、最終的には心臓移植が必要になると思います。現在の智洋くんの状態はかなり悪いのですぐに点滴などによる治療を行いましょう」

担当医になった濵田先生は詳しく病気の説明をしてくれた。

ともの体にはいくつもの点滴が繋がれ、水分制限と塩分制限が始まった。

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ぐったりとベッドに横になり、アニメのDVDを見ているとも。

さっき夕食が来たんやけど、全く食べようとしない。

「とも、ちょっとでええから食べよう？」

塩分制限のあるとものご飯は薄味でほとんど味がせんし、入院前にご飯を食べたらすぐ吐いてもうてたのがトラウマのようで食べてくれん。

無理やり、あーんとスプーンを口元に持っていくと何とか食べてくれた。

でも3口でもういいと言うて、顔を背けたとも。

「とも、ちゃんと食べんと元気になられへんよ？」

そういうと、一緒にあったりんごだけ食べた。

「ともくんジュースのみたいの！」

俺はごめんな、ジュースは飲まれへんのと言って、かわりに水を1口だけ飲ませた。

糖分もともの心臓には負担になってしまう。

1日の水分量も厳しく決められとって、ともは喉乾いたとグズる。

水さえ十分に飲めない息子に胸が痛くなる。