奇蹟 (ページ11)

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第10話ページ11

「...うん、心雑音もないし、だいぶ落ち着いたね。じゃあ明後日退院しますか」

先生の言葉にありがとうございますと頭を下げた。

まだしばらくは週に1回通院して、診察と検査と点滴をせなあかんし、鼻カニュラも外せないからお家でゆっくり過ごさなあかん。

でもお家に帰れることがとにかく嬉しいみたいで、ともはめっちゃ喜んどる。

薬も多いし、制限も多いけど、頑張っていこうなー。

退院の日、ともを抱っこして、照史が携帯用の酸素ボンベが入ったカートを持ち、車へ向かった。

車ではお兄ちゃんたちが待っていた。

「とも！さびしかったんやで！」

流星がともにぎゅっと抱きつく。

この2人は双子ちゃんやのに大きさが全然ちゃうからめっちゃ可愛ええ。

「とも、疲れちゃうから横なろな」

ほとんど寝たきりやったともはだいぶ体力が落ちとる。

病気のこともあって疲れやすいから、俺の膝に頭を乗せて横にさせた。

家につき、少し疲れたのかぐったりしとるともを抱っこして家の中に入った。

リビングのソファに横にさせて、リビングに置いとる酸素濃縮器に鼻カニュラを繋いでともの鼻につけた。